ビジュアルアブストラクトツール

ビジュアルアブストラクト作成ツール

臨床アブストラクトを貼り付けるか論文PDFをアップロードするだけ。AIが対象集団・介入・アウトカムのパネルを組み立て、効果量を報告どおりに引き継ぎます。

ビジュアルアブストラクトとは

ビジュアルアブストラクトとは、研究結果を3つのパネルで示す1枚の図です。対象となった集団、比較された介入、測定されたアウトカム。臨床医学から生まれた形式で、2016年前後にAnnals of SurgeryのAndrew Ibrahimが広め、そこから一気に定着しました。理由ははっきりしています。ランダム化比較試験をリンクだけで投稿すればスクロールで流されますが、同じ試験を読める図にして投稿すれば実際に読まれるからです。

この形式で決定的なのは、それがどこに置かれるかです。ジャーナルのSNSアカウント、抄読会のスライド1枚、論文公開日の朝に著者が送るポスト。そのために設計要件がまるごと変わります。論文から切り離されても単独で意味が通ること、スマートフォンの画面でも耐えること、そして効果量を矢印で匂わせるのではなく数値で書き切ることです。

3パネルの構造

見たことのあるビジュアルアブストラクトは、ほぼすべて同じ骨格の変奏です。パネルは左から右へ読ませ、それぞれに一語の見出し、アイコン1つ、短い一文を置きます。

タイトルバー — 結論を数値とともに言い切る
パネル1

対象集団 Population

誰を調べたのか、nを添えて。「2型糖尿病の成人1,284名」と書き、「糖尿病患者」で済ませない。

パネル2

介入 Intervention

何と何を比べたのか、両群とも明記する。アイコン1つに説明文を添えるより、2つのアイコンを並べたほうが伝わる。

パネル3

アウトカム Outcome

主要評価項目を数値と方向で。「12か月時点で18%対27%」こそがこの図の存在理由。

書誌情報 — ジャーナル名、年、DOI

タイトルバーには論文題名ではなく結論を

「早期離床でICU滞在が1.8日短縮」と書けば、スクロール中の読者は止まるかどうか判断できます。完全な書誌情報は下部に小さく置き、リンクから離れて図だけが流れても出典をたどれるようにします。

形容詞ではなく数値を

「有意に改善」としか書かないビジュアルアブストラクトは、文章のアブストラクトに対する唯一の強みを捨てています。点推定値を入れ、対照値をその隣に置いてください。

パネルごとにアイコンは1つまで

アイコンは視線を導くためのもので、論証を担うものではありません。小さな図をいくつも並べるより、清潔なピクトグラム3つのほうが速く読め、フィード内のサムネイルでも判別できます。

誠実な提示

相対リスク減少は劇的に見えますが誤解を招きます。論文が報告したとおりに書き、分母を見えるままにし、結果が境界域なら信頼区間を落とさないでください。

ビジュアルアブストラクトの例

上のツールで作成した2点と、それぞれの見どころ。

ICU早期離床試験のビジュアルアブストラクト例。対象集団・介入・アウトカムの3パネル

集中治療 — ランダム化比較試験

最初に上部のバーを読んでください。書かれているのは主題ではなく効果量です。「ICU滞在を1.8日短縮」ならスクロール中の読者は反応できますが、「早期離床の試験」では何も伝わりません。その下の各パネルは一つの内容だけを担い、症例数はタイトルを混雑させずに対象集団パネルに置かれています。両群の数値が現れるのは結果ストリップだけです。数字は一度だけ示す。そうすれば視線はどこを見ればよいか覚えます。

敗血症の抗菌薬投与タイミング研究のビジュアルアブストラクト例。3パネルと28日死亡率

救急医学 — 治療までの時間

介入パネルは文章なしで役割を果たしています。2つの時計と同じ形の点滴が2つ、言葉を読む前に比較が成立します。アウトカムの示し方にも注目してください。18%対24%、そして絶対差を明記しています。相対表現の「死亡率25%低下」は同じ結果を大きく見せただけで、ビジュアルアブストラクトが拡散者を誤解させる最短の道です。

掲載した研究は形式を示すための架空のものです。数値はすべて例示であり、これらの試験は存在しません。エビデンスとして引用しないでください。

ビジュアルアブストラクトとグラフィカルアブストラクト

2つの語はしばしば混同されますが、同じものではありません。投稿時に提出を求められたのであれば、それはほぼ確実にグラフィカルアブストラクトです。

ビジュアルアブストラクトグラフィカルアブストラクト
語の出自臨床医学 — Annals of Surgery、JAMA、BMJ出版社の用語 — Elsevier、Cell Press、ACS
構造固定の3パネル:対象集団・介入・アウトカム自由な流れ:問い → 方法 → 結果
描くもの試験結果 — 効果量、群間比較メカニズム — 経路、分子、実験系
文字量多め。数値は必須できるだけ少なく、短いラベルのみ
作る時期多くは採択後、発信のために投稿時、原稿一式の一部として
サイズ規定公式規定なし。SNS向けに設計出版社ごとに厳密なピクセル規定あり
主な分野臨床試験、システマティックレビュー、疫学化学、材料、細胞・分子生物学

用語の使い分けが取り締まられているわけではありません。両方を同じ意味で使うジャーナルもありますし、3パネルの図をグラフィカルアブストラクトとして提出しても誰も咎めない例は珍しくありません。従うべきは名前ではなく、投稿先の規定です。

グラフィカルアブストラクト作成ツール

どこで使われているか

ビジュアルアブストラクトは発信のための形式であって投稿要件ではありません。投稿規定にピクセル寸法が書かれていないのはそのためです。この形式が定着しているのは次の系統です。

ジャーナル/系統使われ方
Annals of Surgery現在の形式が生まれた場所。3パネル構成に太字の結論行を添えるのがハウススタイル。
JAMA系主要な試験について、論文ページとSNSアカウントに添えられる。
BMJグループ全体で試験やエビデンス要約に使用。インフォグラフィック版も多い。
Blood / ASH系ジャーナル血液学の試験を告知する際の標準的な要素。
学会誌・学術集会採択抄録やプレスリリースに添えるよう求められる例が増加。多くは独自テンプレート付き。

自分で設計する前に、投稿先にハウステンプレートがあるか確認してください。パネル位置が固定されたPowerPointファイルを配布しているところもあり、それに合わせるほうが、後からSNS担当編集者とやり取りするより楽です。

ビジュアルアブストラクトの作り方(5ステップ)

  1. 1

    まず3つの数字を取り出す

    n、2つの群、そして主要評価項目とその両方の値。これらを1行に書けないなら、まだ図を設計する段階ではありません。

  2. 2

    結論を一文にする

    「早期離床でICU滞在が1.8日短縮」。この一文がタイトルバーになり、その下のすべてはこの一つの主張を支えるために存在します。

  3. 3

    3つのパネルを埋める

    対象集団、介入、アウトカム。それぞれ見出し1つ、アイコン1つ、短い一文1つ。方法用に4つ目のパネルを足したくなっても我慢を。それは論文の仕事です。

  4. 4

    生成する、あるいは自分で描く

    ページ上部の入力欄にアブストラクトを貼り付けてください。抽出は3パネルに固定されているので、指示しなくても対象集団・介入・アウトカムが揃います。追加の指示は、文言やアイコンを調整したいときだけで構いません。

  5. 5

    スマホサイズで確認する

    画像をスマートフォンの画面幅まで縮めてみてください。評価項目の数値が読めなくなるなら、そこを大きくして別の要素を削ります。拡大しないと読めないビジュアルアブストラクトは、すでに読者を失っています。

そのまま埋められるテンプレート

上のツールは3パネルをすでに組んでくれます。この骨格はそれ以外の場面のためのものです。文言を厳密に指定したいとき、デザイナーに依頼するとき、あるいはPowerPointで手作業で作るとき。角かっこを自分の結果に置き換えてください。指示欄に貼り付けた場合も、数値は丸められずそのまま通ります。

3パネル構成のビジュアルアブストラクト。パネルは横並び、同じ幅。
上部タイトルバー:[結論を数値を含む一文で]。
パネル1 — POPULATION(対象集団):[nと対象集団]。
パネル2 — INTERVENTION(介入):[群A] 対 [群B]、並列した2つのアイコンで表示。
パネル3 — OUTCOME(アウトカム):[主要評価項目:値A 対 値B、時点]。
下部に小さく書誌情報:[ジャーナル名、年]。
パネルごとにシンプルなアイコン1つ、大きめのサンセリフ体ラベル、装飾的な背景は不要。

アスペクト比は1:1か4:3を選び(正方形がフィードでは最も届きます)、2Kで書き出してください。プラットフォーム側で再圧縮されても評価項目の数値が潰れません。

上のツールで使う

よくある質問

ビジュアルアブストラクトとグラフィカルアブストラクトの違いは?

ビジュアルアブストラクトは対象集団・介入・アウトカムという固定の3パネル構成に従い、効果量を数値で示し、多くは採択後に発信目的で作られます。グラフィカルアブストラクトは研究のメカニズムを自由な流れで描いた図で、原稿と一緒に投稿され、出版社ごとに厳密なサイズ規定があります。詳細は上の比較表をご覧ください。

ジャーナルはビジュアルアブストラクトを要求しますか?

投稿時に必須としているところはほとんどありません。通常は採択後に、ジャーナルのSNS担当か著者自身が作成します。著者に提供を呼びかけるジャーナルもあり、採択抄録に添えるよう求める学術集会も増えています。

サイズはどれくらいにすべきですか?

原稿一式の一部ではないため、公式な仕様はありません。SNSのフィードを前提に設計してください。正方形(1:1)か4:3で2K解像度あれば、どのプラットフォームでも再圧縮後に鮮明さが残り、スマートフォンでも読めます。ジャーナルがハウステンプレートを配布している場合はそちらに合わせます。

PowerPoint用のテンプレートはありますか?

いくつかのジャーナルや学会が公開しているので、自作の前に投稿先へ問い合わせる価値があります。ボックスを手で並べたくないなら、上の文章テンプレートを生成指示として使ってください。ファイルこそありませんが、同じ3パネル構造を表しています。

AIで作ってもよいですか?

構いませんが、どの図にも当てはまる注意は同じです。数値は論文由来でなければならず、公開前にすべて自分で確認する責任があります。当ツールは文章からラベルと数値を抽出するもので創作はしませんが、生成された図は必ず校正してください。広く共有された画像の中の誤った効果量は、リンクよりはるかに取り消しにくいものです。

本当に注目度は上がりますか?

この形式が広まったのは、外科領域の初期の研究で、ビジュアルアブストラクト付きで共有された論文がテキストのみの場合より大幅に多く閲覧されたと報告されたからです。その後の結果は分野やアカウント規模で差があるため、指標が必ず何倍になる保証ではなく、可読性が確実に上がる手段として捉えてください。

システマティックレビューにも使えますか?

使えますし、相性も良好です。対象集団のパネルを組み入れた研究数と参加者数に、介入のパネルを比較対象に、アウトカムのパネルを統合推定値と信頼区間に置き換えてください。組み入れ研究数は必ず見えるように。その推定値にどれだけの重みがあるかを読者に伝えるのはその数字です。

ビジュアルアブストラクトを作る

臨床アブストラクトを貼り付け、3パネルの構成を指示すれば、フィード向けサイズの編集可能な図ができます。

ビジュアルアブストラクトを作成