Nature Communications は、Nature Portfolio の多くの雑誌より figure の規定を細かく公表している一方で、編集統計はほとんど公表していません。段組幅もピクセル下限も最小線幅も明記されていますが、採択率はどこにも書かれていません。Nature からの transfer を検討している方と、約 7 dpi ぶん自己矛盾している規定に合わせて図を作る方に向けた記事です。

Nature Communications の主要指標一覧
以下の数値はすべて同誌の Journal Metrics ページからのものです。多くのサイトが引用する 1 個の数字ではなく、Clarivate の指標一式がそのまま載っています。Journal Impact Factor、5 年 JIF、Immediacy Index、Eigenfactor、Article Influence Score を算出しているのは Clarivate で、Journal Citation Reports で公表されます。SNIP と SJR は Scopus のデータをもとに、それぞれ CWTS と Scimago が算出しています。同誌はそれらを転載しています。
| 指標 | 値 | JCR 年 |
|---|---|---|
| Journal Impact Factor | 18.1 | 2025 |
| 5 年 Journal Impact Factor | 18.9 | 2025 |
| Immediacy Index | 3.8 | 2025 |
| Eigenfactor Score | 1.64865 | 2025 |
| Article Influence Score | 5.590 | 2025 |
| SNIP(Source Normalized Impact per Paper) | 3.422 | 2025 |
| SJR(SCImago Journal Rank) | 4.904 | 2025 |
| 投稿から一次判定まで | 9 日(中央値) | 2025 |
| 投稿から受理まで | 242 日(中央値) | 2025 |
| 採択率 | 非公表 | — |
| APC(論文処理費用) | £5,490/$7,350/€6,150 | 現行 |
| ダウンロード数 | 349,945,839 | 2025 |
| Altmetric mentions | 267,901 | 2025 |
| 略誌名 | Nat Commun | — |
| ISSN | 2041-1723(オンライン) | — |
略誌名の行は、指標そのものより検索されることの多い項目です。同誌は全ページ下部のマストヘッドで Nat Commun と、ピリオドなしで示しています。略誌名にピリオドを打つ参考文献スタイルでは Nat. Commun. となりますが、どちらも同じ ISO 4 の略記であり、選ぶのは投稿先ではなく参考文献スタイルの側です。
Nature Communications のインパクトファクターはいくつか
2025 年 JCR で 18.1 です。
これは 2 年の Journal Impact Factor、つまり 2023 年と 2024 年に同誌が掲載した論文に対して 2025 年中に記録された引用数を、その 2 年間の citable item 数で割った値です。5 年 JIF は集計窓を 2020〜2024 年に広げたもので、やや高い 18.9 になります。
この二つが 0.8 の差に収まっていることに意味があります。2 年の値が 5 年の値をかなり下回る雑誌は、方法論誌のように長い尾を引いて引用されています。逆に 2 年の値が大きく上回る雑誌は、最近の何かに引っ張られています。Nature Communications はそのどちらでもありません。全分野にまたがって年間数千本を出す雑誌であれば当然で、母数が大きく内容も多様なので集計値が安定するのです。
その多様さは、専門誌に比べてこの 1 個の数字から読み取れることが少ない理由でもあります。同誌が扱うのは生命科学、健康科学、社会科学、物理科学、化学、地球科学のすべてです。同じ号に載る物性物理の論文と癌ゲノミクスの論文とでは、分野の引用密度が数倍違います。JIF はその両方を平均してしまいます。分野をまたいで比較するときに見るべきは SNIP の 3.422 です。引用する側の分野の引用習慣で正規化することが、この指標の設計目的そのものだからです。
2024 年版や 2026 年版を探して来られた方へ。JCR のリリースは年 1 回で、現行版が 18.1 です。2024 年版は同じ雑誌に別の値を与えていましたし、来年版もまた別の値になります。引用されたインパクトファクターに紐づいているのは、読んでいる暦年ではなく指標年のほうです。
Nature と Nature Communications の違いはどこにあるか
誌名の違いは 1 語ですが、雑誌としてはほとんどすべてが違います。編集上の線引きについては Springer Nature 自身が投稿規定で説明しています。
Nature Communications publishes high-quality papers from all areas of science that represent important advances within specific scientific disciplines but that might not necessarily have the scientific reach of papers published in Nature and the Nature research journals.
基準は質ではなく reach です。技術的に非の打ちどころがなく、その分野にとって重要な論文であっても、読者が全分野ではなく一分野にとどまるという理由で Nature ではなく Nature Communications の論文になります。
| 比較項目 | Nature | Nature Communications |
|---|---|---|
| Journal Impact Factor(2025) | 56.1 | 18.1 |
| 5 年 JIF(2025) | 56.7 | 18.9 |
| 一次判定までの中央値 | 8 日 | 9 日 |
| 受理までの中央値 | 321 日 | 242 日 |
| 公開モデル | 購読型(OA オプションあり) | 完全オープンアクセス |
| APC | 経路により異なる | £5,490/$7,350/€6,150 |
| 公表された採択率 | 約 8% | 非公表 |
| 査読レポートの公開 | なし | あり(2022 年 11 月以降は必須) |
| 事前問い合わせ | 受け付ける | 受け付けない |
このうち二行は、実際の行動を変えます。
Nature Communications は pre-submission enquiry を受け付けません。 Article のページにその旨とともに理由が書かれています。関連資料がすべて揃った状態で判断したい、というものです。Nature の編集者に abstract と数行を送って感触を確かめるやり方に慣れている方は、その経路がないと考えてください。全原稿を投稿するか、投稿しないかのどちらかです。
transfer には査読レポートが付いてきます。 他の Nature 誌で不採択になった論文は、担当編集者から送られるリンク経由で自動 transfer サービスを使えます。このとき査読コメント(編集者宛の confidential comment を含む)と査読者の身元が、原稿とともに移管先の編集者に渡ります。これを断って新規査読を求めることもできますが、その選択は初回投稿の時点で行う必要があり、後から変更できません。Nature で否定的なレポートを 1 通もらった論文なら新規査読のほうが有利ですし、おおむね好意的なレポートを 3 通と対照実験の要求を 1 通もらった論文なら transfer のほうが有利でしょう。質が高いと判断された論文は、追加査読なしで受理されることもあるからです。
比較の残りは Nature のインパクトファクターと図の規定ガイド にまとめてあります。本誌が明記しない 5〜7 pt の文字サイズ規定も、そちらには載っています。
Communications 誌群は別のファミリー
「Nature Communications Biology」「Nature Communications Medicine」で探されている雑誌は、正式名称から Nature が落ちます。Communications Biology、Communications Medicine と、その 6 誌の兄弟です。いずれも独自の編集者・scope・指標を持つ完全オープンアクセスの Nature Portfolio 誌であり、Nature Communications の一部門ではありません。
| 雑誌 | JIF(2025) | 5 年 JIF | 一次判定までの中央値(日) | 受理までの中央値(日) |
|---|---|---|---|---|
| Nature Communications | 18.1 | 18.9 | 9 | 242 |
| Communications Earth & Environment | 9.3 | 10.4 | 8 | 184 |
| Communications Materials | 9.1 | 9.7 | 4 | 146 |
| Communications Medicine | 7.4 | 7.5 | 9 | 288 |
| Communications Engineering | 7.0 | 7.1 | 7 | 211 |
| Communications Chemistry | 6.9 | 7.1 | 7 | 140 |
| Communications Psychology | 6.4 | 6.4 | 7 | 200 |
| Communications Biology | 5.8 | 6.3 | 6 | 217 |
| Communications Physics | 5.5 | 6.2 | 8 | 170 |
この表で見る価値があるのはスピードの二列です。Communications Chemistry は受理までの中央値が 140 日、Communications Medicine は 288 日。インパクトファクターが 0.5 しか違わない二誌のあいだに、5 か月近い差があります。Communications Materials の一次判定は中央値 4 日で、Nature Communications 本体の半分未満、ポートフォリオ最速です。
どの誌に投稿する場合でも、以下の図の規定は実質的にそのまま当てはまります。Nature Portfolio の制作規定であり、Communications 誌群は同じハウススタイルを継いでいるからです。
Nature Communications に掲載するといくらかかるか
完全オープンアクセス誌なので購読型の経路はなく、APC を払わずに掲載する方法もありません。現行の APC は 5,490.00 ポンド/7,350.00 ドル/6,150.00 ユーロで、該当する場合は VAT または現地税が加算されます。
この金額については、受理後ではなく投稿前に知っておくべき点が三つあります。
価格は投稿日ではなく受理日で確定します。 投稿から受理までの中央値が 242 日ですから、今年投稿した論文は来年の価格表のもとで受理される可能性がかなり高いことになります。今ページに出ている数字ではなく、将来の数字で予算を組んでください。
免除の申請には締切があり、それは投稿時です。 Springer Nature は世界の最貧国に所属する責任著者に自動的な免除・減額を用意し、それ以外の著者からの申請も財政的必要があれば個別に検討します。ただし裁量的な免除・減額の申請はすべて原稿投稿の時点で行う必要があり、査読中や受理後の申請は検討できません。1 年近い査読期間は、資金の目処をつけるための猶予ではないということです。
ライセンスの選択には結果が伴います。 論文は CC BY-NC-ND または CC BY で公開されます。CC BY-NC-ND はクレジット表示のうえ非営利目的での共有を認めますが、営利利用と改変版の共有には許諾が必要です。CC BY は営利利用を含めてどちらも認めます。CC BY を義務づけている助成機関は少なくありませんし、この選択はあなたの図を他人が正当に描き直せるかどうかを決めます。選ぶ前に助成条件を確認してください。
採択率と査読期間、そして公表されていない数字
Nature Communications は採択率を公表していません。引用・スピード・利用状況の三節で終わる Journal Metrics ページにもなく、投稿規定にもなく、編集プロセスのページにもありません。一方 Nature は editorial criteria のページで約 8% と明記しています。姉妹誌がその数字を出している以上、本誌の沈黙は見落としではなく方針だと考えるべきです。
Nature Communications の採択率とされる数値はアグリゲータ系のサイトに広く出回っています。どれも同誌に由来せず、指標年も付いていないので、ここでは繰り返しません。同誌が公表しているのは時間のほうです。
- 一次判定まで中央値 9 日(2025 年)。 ここで測られているものの大半は desk decision です。この指標は原稿の受領から、査読に回すか却下するかが決まるまでの時間と定義されているので、返事が早いことは朗報より不採択であることのほうが多いということです。
- 受理まで中央値 242 日(2025 年)。 8 か月弱で、Nature より 79 日速い計算になります。
後者の数字には、研究内容よりも大きく効く手続き上の規則が二つあります。改訂には決定通知に記された期限があり、通常 2 か月です。この期間内に返送すれば元の投稿日が維持されます。そして 再投稿は 1 原稿につき最大 2 回までで、それを過ぎると最終判断が下されます。「あと 1 つだけ対照実験を」が 3 巡することはありません。
査読の透明性も選択制ではなく固定です。2022 年 11 月 1 日以降に受け付けた投稿については、受理されたすべての原著論文に、著者向けの査読コメントと著者の反論レターが supplementary peer review file として付きます。オプトアウトはありません。反論レターは査読者以外にも読まれる前提で書いてください。
Springer Nature は DORA(San Francisco Declaration on Research Assessment)の署名機関であり、18.1 を掲載しているのと同じページの冒頭でそう述べています。DORA の第 1 の一般勧告は、雑誌単位の指標を個々の論文の質の代理として、また採用・昇進・助成の判断に使わないこと。第 6 の勧告は、雑誌に対してインパクトファクターの宣伝利用をやめるか、少なくとも複数の指標のなかに位置づけて示すよう求めるものです。宣言はこの指標の出自も記録しています。Journal Impact Factor はもともと図書館員がどの雑誌を購入するか決めるために作られたものであり、雑誌内の引用分布は極端に偏っています。だからこそ、雑誌全体の平均はそこに載る個々の論文についてほとんど何も語らないのです。
文字数制限、図表点数、display item の数え方
Nature Communications の原著論文の形式は Articles ただ一つで、短報から踏み込んだ研究まで長さの幅があります。Letter も Report も Brief Communication もありません。以下の制限はすべて Article の content type ページに基づきます。
| 項目 | 制限 | 備考 |
|---|---|---|
| タイトル | 15 語以内 | |
| Abstract | 200 語以内 | 文献引用なし |
| 本文 | 5,000 語程度 | Abstract・Methods・References・図 legend を含まない |
| Methods | 通常 3,000 語未満 | |
| References | 70 件程度 | 上限ではなく目安 |
| 図の legend | 1 点あたり 350 語 | References の後ろに置く |
| display item | 10 点まで | 図と表の合計 |
| 本文 2,000 語未満の場合の display item | 4 点まで | 長さに応じた配分 |
| 初回投稿ファイル | 30 MB | 本文と図を 1 ファイルにまとめてよい |
| Supplementary ファイル | 1 件 30 MB、合計 150 MB |
display item の枠は固定ではなく比例配分で、同誌はその理由も書いています。display item は組版が必要なので、点数は本文の長さに見合っていなければならない、というものです。2,500 語の論文に図を 10 点付ければ、1 点ずつの出来にかかわらず削られます。
制限そのものより頻繁に躓かれるのは、もっと小さな規則二つのほうです。scheme は使いません。 化学反応や実験手順の連続は、scheme ではなくキャプション付きの figure として提出します。また化学構造式のキャプションなしグラフィックは点数を限って入れられ、それぞれ名称・定義済みの略号・太字のアラビア数字のいずれかでラベルしますが、配置とグループ分けの最終判断は編集部が行います。
Nature Communications の図はどの幅で作るか
1 段組が 88 mm、2 段組が 180 mm です。同誌は one- または two-column format の図が必要だと明記しているので、これは「目安として近づける幅」ではなく、存在する幅がこの二つしかないということです。
ビットマップ画像にはピクセル下限も示されています。周囲の余白を除いて、1 段組で 1,040 ピクセル以上、2 段組で 2,080 ピクセル以上です。
これを同じ節にある最低 300 DPI と突き合わせると、片方が自分自身と合いません。88 mm は 3.46 インチで、3.46 インチに 1,040 px はちょうど 300 dpi です。1 段組の下限は換算値を切り上げたものだとわかります。180 mm は 7.09 インチで、7.09 インチに 2,080 px はおよそ 294 dpi。同誌自身の最低ラインを下回ります。2 段組の数字は、換算ではなく 1 段組の数字を 2 倍したように見えます。
実務上の解決策は単純です。2 段組の図は 2,126 px 以上で作ってください。 180 mm でちょうど 300 dpi になる値で、これなら両方の規定を同時に満たします。46 ピクセルの追加には何のコストもかからず、規定が自己矛盾する唯一の箇所が消えます。
| 幅 | ミリ | 明記されたピクセル下限 | 300 DPI 換算のピクセル | 1,200 DPI 線画のピクセル |
|---|---|---|---|---|
| 1 段組 | 88 mm | 1,040 px | 1,040 px | 4,158 px |
| 2 段組 | 180 mm | 2,080 px | 2,126 px | 8,504 px |
高さは直接指定されず、ページによって決まります。図は PDF のページサイズに収まるよう作ることとされ、そのサイズは 210 × 276 mm と示されています。幅は A4 と同じ 210 mm ですが、高さは 21 mm 短いので、A4 のアートボードで作った全ページ大の図はキャプション 1 本分ほど高すぎることになります。アートボードを 210 × 276 mm にしておけば済む話です。
もう一つ、サイズに関する規定が投稿ページと編集プロセスのページの両方に書かれています。同じ内容が二箇所にあるのは、たいてい実際に揉めた証拠です。図の拡大の妥当な要望は考慮されるが、図のサイズについての最終判断は編集部が行う、というものです。内容が耐えるなら 88 mm を前提に設計してください。判断が微妙な図の行き着く先はそこです。
解像度、ファイル形式、1 pt の線幅規定
ファイル形式の規定は、図が何を描いているかではなく、図が何でできているかで分かれます。
線画・グラフ・チャート・模式図はベクターで。 EPS、AI、PDF のいずれかを、作成したアプリケーションから直接保存または書き出します。これらをフラット化・圧縮・変換したり、ビットマップや JPEG などの非ベクター形式で保存したりしてはならないと明記されています。同誌は Adobe Illustrator を推していますが、Word と PowerPoint も受け付けます。どうしてもベクターで出せない線画は 1,200 DPI でページサイズに合わせて提出します。2 段組なら 8,504 ピクセル。この規定集のなかで、そもそもラスタライズすべきでない理由として最も雄弁な数字です。
写真などのビットマップ画像は TIFF で最低 300 DPI、最終掲載サイズにできるだけ近い寸法、カラーは RGB で提出します。Word や PowerPoint のファイルを送る場合も、配置した画像は同じ条件の TIFF として別途提出が必要です。レーザープリンタの出力をスキャンすることは名指しで禁じられています。ドットパターンがスキャン時にモアレを生むためです。
これに続く文字と作図の規定は、仕上がった図に照らして数分で確認できる程度の短さです。
- 最終的な図の最も細い線は 1 pt 以上。 同誌が数値で示す唯一の下限で、印刷された状態に対して適用されます。180 mm では保っていたヘアラインが 88 mm に組まれた途端に落ちる、ということが起こります。
- サンセリフ書体(例として Helvetica)を、論文内のすべての図で同じ書体・ほぼ同じサイズで使う。
- パネルラベルは小文字の太字 a、b、c、図中の他の文字と同じサイズで。
- 文字は小文字で、各ラベルの先頭だけを大文字に。
- 数値と単位のあいだは半角スペース 1 個、SI 表記に従う(
msecではなくms)。5 桁以上の数値には桁区切りのカンマを入れる。 - 倍率ではなくスケールバーを使い、長さはバー上ではなく legend に書く。
- 背景は白。 過剰な囲み罫、不要な色、立体的な「摩天楼」ヒストグラム、粗いピクセルの作図はしない。
- ヒストグラムの軸を途中で切らない。 わずかな差を大きく見せないため。
- legend では言葉ではなく視覚的な手がかりを。 「赤い白抜き三角」ではなくマーカーそのものを説明します。
色については、任意に色を選んだヒートマップ・グラフ・模式図の緑と赤の組み合わせを塗り直すよう具体的に求めており、代わりに使える組み合わせも挙げています。緑とマゼンタ、ターコイズと赤、黄と青です。蛍光やレインボー擬似カラーのような一次データを色覚安全な配色に塗り直すことは、必須ではなく strongly encouraged にとどまります。つまり不採択の理由ではなく、査読コメントとして返ってくる類のものです。
化学の図には別の道筋があります。Nature Research Chemical Structures Guide と ChemDraw テンプレートを使い、最終ファイルを 100% の倍率で .cdx として提出します。立体視図は交差法ではなく平行法で、2 つのパネルを約 5.5 cm 離して配置します。
規定されていない項目と、その代わりに何を使うか
著者がよく検索する項目のうち三つは、Nature Communications の規定に単に存在しません。誰も拘束しない数字で穴を埋めるより、ないと書くほうが役に立ちます。
図の文字に最小ポイント数の規定がありません。 要求されているのは、適切に縮小したあとも読める大きさとコントラストであること、それだけです。同じポートフォリオの別誌である Nature の formatting guide には最小 5 pt・最大 7 pt、パネルラベル 8 pt 太字という規定があります。代替として妥当ですし、Nature Portfolio の制作担当者が見慣れている数値でもありますが、それは Nature の規定であって、Nature Communications のページはどこにもそれを採用していません。
採択率がありません。 前述のとおりです。
JCR の四分位も分野内順位もありません。 Journal Metrics ページは JIF を載せますが、その JIF が Multidisciplinary Sciences のなかでどこに位置するかは載せません。四分位と分野内順位は Journal Citation Reports そのもの、つまり Clarivate の購読製品にあります。助成申請で順位が必要なら入手先はそこで、所属機関の図書館はほぼ確実に契約しています。
Word のテンプレートもありません。 使っていないと明記されています。要求される書式は最小限で、ダブルスペース、1 段組、両端揃えなし、各ページのフッターにアラビア数字のノンブル、標準的なフォント、ギリシャ文字には symbols フォント。TeX/LaTeX は標準的なクラスファイル(article.cls、revtex.cls、amsart.cls など)なら何でも使え、既定の Computer Modern で、参考文献は .tex ファイル本体に貼り込みます。BibTeX の .bib ファイルは受け付けられません。
提出が求められるゲル・ブロットの未処理画像
Nature Portfolio の方針が最も強く効くのがここで、Nature Communications にもそのまま適用されます。
Nature Portfolio 誌に載る生命科学の論文はすべて、最終受理版とともにゲルとウエスタンブロットの未処理の元画像を提出しなければならず、その未処理画像は Supplementary Information として公開されます。手元に保管するのでも、請求に応じて出すのでもなく、公開されます。
これに伴う提示上の規定は次のとおりです。
- 明度やコントラストの調整は、画像全体に一様に、かつ対照にも同様に適用される場合にのみ許容されます。データが消えるほどコントラストを調整してはいけません。
- レタッチ系のツール、すなわちクローン、スポット修復、加工を意図的に隠す機能の使用は認められません。
- ゲル上で隣接していないレーンを並べ替えた場合は、境界がわかる形で明示し、並べ替えたことを legend に記載します。
- ローディングコントロールは同じブロット上で泳動します。sample processing control が別のゲル由来である場合は、legend でそう述べる必要があります。
- 切り出したゲルは重要なバンドをすべて残すこと。 高コントラストのゲルは、露光過多が他のバンドを隠すため推奨されません。
- 異なるゲル・ブロット間での定量的比較は強く非推奨です。避けられない場合は、試料が同一または並行する実験に由来し、ゲル/ブロットが並行して処理されたことを legend に明記します。
Nature Portfolio は無作為に選んだ論文の画像を spot-check しており、編集者が改変検出ソフトウェアを使うこともあります。これとは別に、Nature Communications は source data file の提出を求める場合があります。Excel または zip フォルダで、少なくともすべてのグラフとチャートの元となる数値データと、図に使ったゲル・ブロットの切り出し前の版を含み、図 1 点につき 1 シート、ブロット画像は貼り込んだうえで該当パネルと使用抗体を明記します。
ここで問われるのは作図の技術ではなく、ファイルを残す習慣のほうです。受理時に求められる未処理スキャンは、その 8 か月前にブロットを泳動した誰かが撮ったものです。あとでどのパネルになるかがわかる名前を付けて、残しておいてください。
投稿前チェックリスト
- タイトル 15 語以内、Abstract 200 語以内で引用なし
- 本文 5,000 語前後、Methods 3,000 語未満
- display item が枠内か。最大 10 点、本文 2,000 語未満なら 4 点
- scheme を使っていないか。反応や手順の連続はキャプション付きの figure に
- すべての図が 88 mm か 180 mm か。中間の幅はない
- ビットマップは最低 300 DPI、1 段組 1,040 px 以上、2 段組 2,126 px 以上
- 線画はフラット化していない EPS・AI・PDF。ベクター化が不可能な場合のみ 1,200 DPI
- 全ページ大の図はアートボードを 210 × 276 mm に
- 最終印刷サイズで最も細い罫線が 1 pt 以上か
- サンセリフ書体 1 種類を、全図で同じサイズに
- パネルラベルは本文字と同サイズの小文字太字 a、b、c
- スケールバーがあり、長さが legend に書かれているか
- 緑と赤の組み合わせを塗り直したか
- 各 legend が 350 語以内で、References の後ろにまとまっているか
- 未処理のゲル・ブロットのスキャンを、必要になる前に探して名前を付けたか
- 免除・減額の申請を原稿と同時に出したか(後からは不可)
- 新規査読か transfer かを初回投稿時に決めたか(変更不可)
よくある質問
Nature Communications のインパクトファクターはいくつですか。 2025 年 JCR で 18.1 です。5 年 JIF は 18.9、Immediacy Index 3.8、Eigenfactor Score 1.64865、Article Influence Score 5.590、SNIP 3.422、SJR 4.904。
Nature Communications の採択率はどのくらいですか。 指標ページにも投稿規定にも編集ページにも、同誌は採択率を公表していません。代わりに公表されているのがスピードで、2025 年の一次判定まで中央値 9 日、受理まで 242 日です。他所に出ている割合は同誌の数字ではありません。
Nature Communications の APC はいくらですか。 5,490.00 ポンド/7,350.00 ドル/6,150.00 ユーロ。該当する場合は VAT または現地税が加算され、投稿日ではなく受理日で価格が決まります。
Nature Communications は Nature と同じ雑誌ですか。 違います。同じポートフォリオ内の別の完全オープンアクセス誌で、全科学分野に届く成果ではなく一分野にとって重要な進展を扱い、独自の編集者を持ち、外部編集委員会は置いていません。
Nature Communications の図の幅はいくつですか。 1 段組 88 mm、2 段組 180 mm。図はこのどちらかの形式であることが求められます。
Nature Communications が要求する解像度はいくつですか。 最終サイズでの TIFF ビットマップが最低 300 DPI、ベクター化できない線画が 1,200 DPI。線画・グラフ・チャート・模式図はベクターが推奨されます。
図は何点まで入れられますか。 図と表を合わせて display item 10 点まで。本文の長さに応じて配分され、2,000 語未満の論文は 4 点までです。
Nature Communications は graphical abstract を受け付けますか。 投稿規定は Article の構成要素として graphical abstract を挙げていません。用意されているのは featured image で、受理された論文の著者は image of the week の候補としてイラストを提出するよう勧められます。選考基準は科学的な興味と美的な魅力で、受理時に短い legend を添えて提出します。
事前問い合わせはできますか。 できません。同誌は pre-submission enquiry を検討しないこと、完全な原稿を手元に置いて判断したいことを明記しています。
次に読むもの
このページの指標を読むのに 10 秒、そしてそれはたいてい、すでに決まっている判断を追認するだけです。規定のほうは午後を 1 回使いますが、その判断が 8 か月後に制作のやり直しを招くかどうかを決めます。
上に並べた図の規定のほとんどは、一つの要求が服を着替えているだけです。あなたのデータを見たことのない人が 88 mm に組んだときに、まだ編集可能で、まだ読めること。生きたベクターパス、1 書体 1 サイズ、実寸の線幅、倍率ではなくスケールバー。ほかはすべてそこから出てきます。
Nature Portfolio の別誌に投稿する準備をされているなら、 Scientific Reports の図の規定ガイド が同じポートフォリオのもう一方の端を扱っています。自誌の規定をほとんど公表せず、すべてを継承している雑誌です。
featured image や、display item の枠外に置く要約図については、 graphical abstract の規定ガイド が出版社ごとの実際の要求と用途をまとめています。
規定ではなくツールがボトルネックになっている場合は、 作図ツールの比較 が、このページの規定すべてが前提としているフラット化されていないベクター出力を、どのツールが実際に出せるのかを率直に扱っています。
参考資料
- Nature Communications — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Nature Communications — Open Access Fees and Funding — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/article-processing-charges2026年8月21日 閲覧
- Nature Communications — How to submit — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/submit/how-to-submit2026年8月21日 閲覧
- Nature Communications — Article (content type) — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/submit/article2026年8月21日 閲覧
- Nature Communications — Guide to authors — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/submit/guide-to-authors2026年8月21日 閲覧
- Nature Communications — Editorial process — Springer Naturehttps://www.nature.com/ncomms/submit/editorial-process2026年8月21日 閲覧
- Nature Portfolio — Image integrity and standards — Springer Naturehttps://www.nature.com/nature-portfolio/editorial-policies/image-integrity2026年8月21日 閲覧
- DORA — San Francisco Declaration on Research Assessment — DORAhttps://sfdora.org/read/2026年8月21日 閲覧
- Journal Citation Reports — Clarivatehttps://clarivate.com/academia-government/scientific-and-academic-research/research-funding-analytics/journal-citation-reports/2026年8月21日 閲覧
- Nature — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/nature/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Biology — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commsbio/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Medicine — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commsmed/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Chemistry — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commschem/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Physics — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commsphys/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Materials — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commsmat/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Engineering — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commseng/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Earth & Environment — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commsenv/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Communications Psychology — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/commspsychol/journal-impact2026年8月21日 閲覧
- Scientific Reports — Journal Metrics — Springer Naturehttps://www.nature.com/srep/journal-impact2026年8月21日 閲覧
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