AAAS は Science Advances について、多くの出版社がどの雑誌についても出さない水準の編集統計を公開しています。投稿数、査読回付率、採択率、4 種類の期間の中央値が、Science の同じ数字と並べて 1 ページに載っています。同時にその図の手引きは、線画に 1,200 dpi を要求しながら、600 dpi を超えるものはダウンサンプリングすると書いています。投稿先を選ぶ人と、Nature でリジェクトされた図を 2 mm 広いカラムに作り直す人のための記事です。

Science Advances の数字を一覧で
以下の数字はすべて AAAS 自身が公開しているページから採っています。編集統計も引用指標も Science 誌群共通の Journal metrics ページにあり、年 2 回更新され、引用系の値は出典を Web of Science と Scopus に明記したうえで載っています。図の仕様は同誌の 2026 年版 Guide to Preparing Figures からです。
| 項目 | 値 | 対象期間 |
|---|---|---|
| 2 年インパクトファクター | 13.9 | 2026 年 6 月時点 |
| 5 年インパクトファクター | 14.8 | 2026 年 6 月時点 |
| Immediacy Index | 2.8 | 2026 年 6 月時点 |
| Eigenfactor score | 0.38515 | 2026 年 6 月時点 |
| Article Influence Score | 4.774 | 2026 年 6 月時点 |
| h-index | 39 | 2026 年 6 月時点 |
| CiteScore(Scopus) | 19.0 | 2026 年 6 月時点 |
| 投稿数 | 35,831 件 | 2025 年通年 |
| 査読回付率 | 16.4% | 2025 年通年 |
| 採択率 | 8.8% | 2025 年通年 |
| 投稿から最初の判定まで | 8 日(中央値) | 2025 年 |
| 投稿から査読後の最初の判定まで | 58 日(中央値) | 2025 年 |
| 投稿から受理まで | 174 日(中央値) | 2025 年 |
| 受理から公開まで | 33 日(中央値) | 2025 年 |
| APC | 5,450 ドル(基本) | 現行 |
| 選べるライセンス | CC BY-NC または CC BY | 現行 |
| 略誌名 | Sci. Adv. | — |
| ISSN | 2375-2548 | — |
投稿先を決める段階でインパクトファクターより役に立つ行が 2 つあります。しかもその 2 つは、多くの雑誌がそもそも公表していないものです。査読回付率 16.4% と採択率 8.8% を並べて見ると、漏斗の入口の狭さと出口の狭さが別々に分かります。
Science Advances のインパクトファクターは
13.9 です。AAAS はこれを 2 年インパクトファクターと呼び、出典を Web of Science とし、そのページの指標は 2026 年 6 月時点のものだと明記しています。5 年の値は 14.8 です。
2 年の窓というのは通常の Journal Impact Factor の計算そのもので、ある年に記録された引用のうち、その前 2 年に出た論文に対するものを数えます。AAAS は同じページの引用分布の説明で、2023 年と 2024 年に出た research articles・reports・research resources に対する 2025 年通年の引用、とまさにその窓を定義しています。
13.9 と 14.8 の差が小さいことには意味があります。5 年の値が 2 年の値をやや上回るのは、過去の論文が最近の論文に近い頻度で引用され続けているということで、あらゆる分野にまたがって出版し、引用半減期が平均化される雑誌ではこうなります。同誌自身の説明によれば週刊の各号に 50 本から 60 本を載せており、母集団が大きく雑多だからこそ数字が安定します。
h-index 39、Eigenfactor score 0.38515、Article Influence Score 4.774 も同じ Web of Science 由来です。CiteScore の 19.0 は Scopus が 4 年の窓で計算したもので、インパクトファクターとは比較できません。AAAS が両者に別々の脚注を付け、ひとまとめにしていないのはそのためです。
無料では手に入らないのは Journal Citation Reports そのものです。Web of Science Master Journal List では収録状況(Science Citation Index Expanded、Current Contents Physical, Chemical & Earth Sciences、Essential Science Indicators、Zoological Record、ISSN 2375-2548)まで確認できますが、詳細プロファイルと JIF の値は無料登録の先にあります。この記事が値を書けるのは、AAAS が公開ページで数字を再掲しているからです。
Science Advances の採択率は
2025 年通年、投稿 35,831 件に対して 8.8% です。
AAAS は定義まで書いています。ここが重要で、採択率という語はほかの場所ではかなり雑に使われています。ここでいう採択率は、最終判定が出た原稿の総数に対する、採択判定が出た原稿の割合です。投稿数からは取り下げと重複が除かれています。対象は research articles・reports・research resources で、reviews と analytical reviews は入りません。
その上の行を見ると、数字の読み方が変わります。査読回付率は 16.4%、つまり外部査読に回された原稿の割合です。裏を返せば、およそ 6 件に 5 件は査読者に届く前に編集判断で不採択になっています。
2 つを割ると絵が反転します。外部査読まで到達した原稿のうち、半分強が採択されている計算になります。この割り算自体は当方のもので、雑誌が書いているのは 2 つの入力値だけですが、実務的な意味ははっきりしています。Science Advances は「査読してもらう」のが難しく、いったん査読に入れば「通る」ほうは比較的寛容な雑誌です。カバーレターと abstract、そして新規性の見せ方が仕事の大半を担っており、しかもそれを担う時間は、最初の判定までの中央値である 8 日しかありません。
投稿数は急増しています。2025 年 3 月の編集部は、2024 年を 28,000 件超で過去最高だと書いていました。いまの metrics ページは 2025 年に 35,831 件と出しています。1 年でおよそ 28% の増加で、採択率はその増加を吸収しなければなりません。
Science と Science Advances は何が違うのか
両誌は AAAS の同じ表に、同じ定義で、同じ期間について載っています。出版社ごとの定義の違いを調整せずに比較できる、珍しいケースです。
| Science | Science Advances | |
|---|---|---|
| 2 年インパクトファクター | 47.3 | 13.9 |
| 5 年インパクトファクター | 51.6 | 14.8 |
| 投稿数(2025 年) | 15,088 件 | 35,831 件 |
| 査読回付率 | 15.0% | 16.4% |
| 採択率 | 5.3% | 8.8% |
| 投稿から最初の判定まで | 8 日 | 8 日 |
| 投稿から受理まで | 184 日 | 174 日 |
| 受理から公開まで | 62 日 | 33 日 |
| 提供形態 | 購読型 | オープンアクセス、APC 5,450 ドル |
査読回付率がほぼ同じである点は意外に見えるはずです。Science Advances は投稿のうち査読に回す割合が Science よりわずかに高く、しかもそれを 2 倍以上の量に対して行っています。選抜の差がついているのは査読の前ではなく後です。
受理から先はすべて Science Advances が速い側です。受理までが 10 日短く、受理後の公開が 29 日短いので、通しで見ると 2 か月の差になります。Science Advances はオンライン専用で、Science には組むべき印刷号があります。
線を引いているのは scope で、これは同誌が明言しています。Science Advances はあらゆる科学分野の重要な研究を、分野固有のものも広い学際領域のものも載せる雑誌であり、Science 誌が重要な進展を見いだして広める力を拡張するために存在する、というものです。編集体制もその scope に従っていて、5 つのセクションそれぞれに Section Editor と Deputy Editors が置かれています。社会科学・学際科学・公衆衛生、神経科学、地球環境生態宇宙科学、物性材料科学、生物医学・生命科学の 5 つです。Science 誌群全体の Editor-in-Chief は Holden Thorp、Science Advances の Editor は Laura Remis です。
Science Advances と Nature Communications
多くの著者にとって現実の選択肢はこの 2 誌です。もっとも知られたブランドを背負った、大規模で選抜的な完全オープンアクセスの総合誌という点で並びます。
| Science Advances | Nature Communications | |
|---|---|---|
| 2 年インパクトファクター | 13.9 | 18.1 |
| 5 年インパクトファクター | 14.8 | 18.9 |
| Immediacy Index | 2.8 | 3.8 |
| 採択率 | 8.8%(公表あり) | 非公表 |
| 投稿から受理まで | 174 日(中央値) | 242 日(中央値) |
| APC | 5,450 ドル | 7,350 ドル/5,490 ポンド/6,150 ユーロ |
| 図表点数 | 合計 10 点まで | 合計 10 点まで |
| 1 カラム幅 | 90 mm(9 cm) | 88 mm |
| 2 カラム幅 | 184 mm(18.4 cm) | 180 mm |
| 最小文字サイズ | 6 pt | 5 pt |
引用指標では Nature Communications が 4 ポイントほど上回ります。著者が実際に体感する部分ではすべて Science Advances が上です。1,900 ドル安く、受理までがおよそ 10 週間速く、そして Nature Communications が採択率を一切公表しないのに対して選抜の実態を数字で出しています。比較の相手側についてはNature Communications のインパクトファクターと図の規定にまとめてあります。
最後の 3 行が、投稿し直す羽目になる原因であり、この比較を図の記事に置いている理由でもあります。Nature Portfolio の幅で作った図は、Science Advances の 1 カラムには 2 mm 足りず、2 カラムには 4 mm 足りません。誰も気づかないのは、何も壊れないからです。片側に白い帯を残して組まれるか、2% 拡大されて文字も一緒に拡大されるだけです。88 mm から 90 mm に拡大された 6 pt のラベルなら問題ありません。Nature では合法でここでは下限を割る 5 pt のラベルは、そうはいきません。
Science Advances は良い雑誌か
たいていこの問いは格の話として尋ねられます。誠実に答えるには 2 つに分ける必要があります。
発表の場としては、AAAS のオープンアクセス誌であり、Science Citation Index Expanded に収録され、5 つの分野セクションに編成された現役の研究者が編集し、届いた原稿のおよそ 91% を落としています。掲載論文の被引用度は、総合誌の中では上位のほうにありますが、Science や Nature およびその直系には届きません。メガジャーナル層より上、フラッグシップ層より下という位置で、これは同誌の scope の記述そのままの場所です。
数字としては、13.9 は個々の論文について何も語りません。そして AAAS 自身が、その数字を載せているのと同じページでそう述べています。AAAS は DORA の署名機関であり、雑誌の質の評価には幅のある複数の指標を使うべきだという立場を明記しています。DORA の第 1 勧告はもっと直截です。Journal Impact Factor のような雑誌単位の指標を、個々の論文の質の代理指標として、また個人の研究者の貢献の評価や、採用・昇進・研究費の判断に用いてはならない、というものです。
インパクトファクターを調べに来た人にこそ覚えておいてほしい点です。その指標を掲げている当の出版社が、多くの人がこれからやろうとしている使い方をするなと言っています。同じ緊張が比較対象の 2 誌でどう表れるかはNature のインパクトファクター解説にあります。
Science Advances の掲載料はいくらか
基本の APC は 5,450 ドルで、CC BY-NC を選んでも CC BY を選んでも同額です。支払いは Copyright Clearance Center の RightsLink 経由、米ドル建てで、クレジットカード、電信送金、請求書のいずれかです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本 APC | 5,450 ドル。ライセンスによる差なし |
| 国による免除 | Research4Life / Hinari A・B 該当国の責任著者は、多くの場合 APC 全額が免除される |
| AAAS 会員割引 | 4%。1 件の APC につき 1 つまで |
| 経済的困難による減額 | すべての国・すべての分野から申請可。投稿前から受理までいつでも申請できるが、認められるのは受理時 |
| 税 | カナダとドイツに所在する著者から徴収 |
| 中国本土からの支払い | SocoPay 経由。6.18% の税と 3% の手数料が加算される |
| CC BY が必須になる助成 | ゲイツ財団、Wellcome、COAF、UKRI、cOAlition S |
見落としやすい点が 2 つあります。決済の時点で適用されなかった割引は、あとから補正されません。プロモーションコードは入力し、確認し、適用まで済ませてから決済を完了する必要があります。もう 1 つ、経済的困難による減額申請は投稿前からいつでも出せますが、受理前に認められることはありません。早く出しておいて損はなく、早く出したから早く決まるわけでもない、ということです。
語数制限、図表点数、そして見落とされがちな abstract の規定
research article は柔軟な長さで、上限は 15,000 語、図表は合計 10 点、参考文献は 80 件です。review は 10,000 語、図表は同じく 10 点、参考文献は 150 件までで、申請すれば追加が認められます。research resource は research article と同じ書式・同じ査読プロセスです。
初回投稿には指定書式がありません。.docx 1 ファイル、または LaTeX と PDF に、すべての要素を順番どおりに収めて出します。図は初出位置に埋め込み、その下に凡例を置きます。書式が拘束力を持つのは改訂時で、そこで図は本文と別にアップロードされ、Guide to Preparing Figures が効き始めます。
そして人を驚かせる規定が、abstract の節に 1 行あります。abstract を図で表現したものは認められません。 Science Advances はグラフィカルアブストラクトをいかなる形でも受け取りません。abstract は 1 段落、150 語以内、引用なし、一般読者向けに書き、タイトルに出てくる略語はここで定義します。
これは投稿の組み立て方に効いてくる制約です。グラフィカルアブストラクトは最初に作られ、あちこちで使い回される図であることが多いからです。この雑誌の外には居場所があります。Nature Portfolio の多くも、ほぼすべての学会も受け取ります。ただし Science Advances の投稿には持ち込めません。受け取る側の要件はグラフィカルアブストラクトの要件にまとめてあります。
投稿パッケージを組む前に知っておきたい制限をいくつか。タイトルは 135 文字以内、ショートタイトルは 50 文字以内。Supplementary Materials は PDF 1 本で 25 MB 以内。補助ファイルと動画は合計 10 ファイル、合計 25 MB 以内。投稿フォームでは査読者候補 5 名の氏名・所属・メールアドレスが必須です。Science Advances は投稿前の照会を受け付けていません。
Science Advances の図の幅はどれだけか
許される幅は 3 種類で、手引きはそれぞれをインチ・センチ・パイカの 3 通りで書いています。
1 カラムと 2 カラムの中間の幅も使えます。これは珍しく、そして便利です。たいていの雑誌は 2 択しか用意せず、中間はありません。ただし上限があります。2 カラムに満たない図は 5.67 インチ、14.4 cm、34p0 を超えてはいけません。14.4 cm から 18.4 cm の間は、どの図も置けない空白地帯です。
深さは別の規定で、ここは単なる上限より一段考えられた作りになっています。
どの図もページ高の 9 インチを超えられません。2 カラムの図では凡例も同じ 9 インチの中に入れる必要があるので、手引きは図版を 7.8 インチで止めることを勧め、凡例を組む書体まで書いています。7.5 pt、行送り 10 pt、Myriad Regular です。この 2 つの数字があるおかげで、投稿後ではなく投稿前に配分を検算できます。18.4 cm の幅にそのサイズで凡例を流したとき何行になるかを数えて、8 行を超えるようなら図版を 7.8 インチから削るしかありません。
文字サイズ、線幅、そして食い違う解像度の規定
| 要素 | 規定 | 出典 |
|---|---|---|
| 書体 | サンセリフ体。Myriad が望ましい | Guide to Preparing Figures |
| パネル記号(A、B、C) | 9 pt ボールド、大文字 | Guide to Preparing Figures |
| 軸ラベルなどの文字 | 8 pt レギュラー(既定) | Guide to Preparing Figures |
| 最小文字サイズ | 6 pt | Guide to Preparing Figures |
| 凡例の文字 | 7.5 pt、行送り 10 pt、Myriad Regular | Guide to Preparing Figures |
| 記号(シンボル) | ある箇所では 6〜8 pt、別の箇所では 5〜8 pt | Guide to Preparing Figures |
| 最小線幅 | 最終サイズで 0.28 pt | Guide to Preparing Figures |
| ラスター画像 | 最終サイズで 300 dpi 以上 | Guide to Preparing Figures |
| 白黒の線画 | 1,200 dpi 以上 | Guide to Preparing Figures |
| ラスターと線画が混在する図 | 300 dpi 以上 | Guide to Preparing Figures |
| 600 dpi を超える場合 | 600 dpi にダウンサンプリングされる | Guide to Preparing Figures |
文字まわりの規定は、他誌にはあまりない細かさです。書体は Myriad と名指し、パネル記号は 9 pt ボールド、実務上のサイズは 8 pt、下限は 6 pt、そしてラベルはセンテンスケース、つまり先頭の 1 文字だけを大文字にします。パネル記号は各パネルの左上、画像パネルなら枠の内側に置き、左から右または上から下の順に並べます。サブパネル記号は明確に避けるよう書かれていて、A, B, C(a), C(b), C(c) ではなく A, B, C, D, E を使い、どうしても必要ならローマ数字ではなく小文字を使い、数字は画像の時系列にだけ使います。
そして解像度の節が、7 ページの中で 2 度、自分と食い違います。
手引きは白黒の線画に 1,200 dpi 以上を求めています。その 2 段落あとに、600 dpi を超えるファイルは 600 dpi にダウンサンプリングするので 600 dpi 以下での入稿を勧める、と書いてあります。同じファイルについて両方が成り立つことはありません。別のところでは、ラスター画像の 300 dpi という下限が、巻末の手順の節で崩れています。そこには 300〜600 dpi を推奨するが、鮮明でジャギーがなければ 300 dpi 未満でも受け付けられる、とあります。
線画を雑誌が第一希望としている形で出せば、どちらの矛盾も踏まずに済みます。ベクターです。ベクターファイルにはダウンサンプリングの対象になる dpi がそもそもなく、必要なら製作側で解像度を変えられると手引きにも書かれています。実務的な規則はこうなります。描いたものは .ai か .pdf で出す。写真と顕微鏡画像は最終サイズで 300〜600 dpi に収める。これですべての版の規定を同時に満たせますし、もともと手引きが最初に求めているのもこれです。数字の背景にある考え方、たとえばなぜ 0.28 pt が下限なのか、縮小がグラフに何をするのかは科学図の作り方で扱っています。
もう 1 行、二度読む価値があるのはアップサンプリングの扱いです。ファイルサイズや解像度を人為的に上げても品質は上がらず、製作上の問題を起こす、と名指しで書かれています。最終サイズでパネルがジャギーに見えるなら、直し方は元の素材から作り直すことであって、リサンプルではありません。
ファイル形式、色、そして受け付けられないもの
| 対象 | 受け付けられる形式(優先順) |
|---|---|
| ベクターで作れるもの(すべての図で第一希望) | .ai、次いで .pdf |
| ラスターの白黒線画 | .tiff、次いで .png |
| グレースケール/カラー画像 — ゲル、ブロット、顕微鏡像、写真 | .tiff、次いで .jpeg |
| カラーモード | RGB のみ。CMYK は不可 |
| ファイルの分け方 | 完成した図 1 点につき 1 ファイル。マルチパネルでも 1 ファイル |
| ファイルサイズ | 25 MB まで。10 MB を超えるものは圧縮する |
禁止事項は範囲が広く、そのまま引く価値があります。Word や PowerPoint に埋め込まれた図は不可、そして PowerPoint や Word で作った図を、それ以外の受け付け可能な形式に変換したものも不可です。PowerPoint から書き出した .pdf は、やはり PowerPoint の図です。理由も書かれていて、製作チームが扱えるのは真の画像ファイルかベクターファイルだけだから、というものです。
図のタイトルは図の中に入れません。タイトルは製作側が組む凡例のものです。ファイル名は気にしなくてよい数少ない項目で、投稿ポータルがアップロード時に改名します。
色の規定はアクセシビリティの規定で、他誌より踏み込んでいます。
- 赤と緑の組み合わせ、濃い青と黄色の組み合わせを避ける。
- 図の異なる部分を区別するのに、色相の近い色を使わない。
- グレースケールを避ける。
- 背景は白にする。暗い背景がどうしても必要なら、パネル同士を白で区切る。
- 画像の暗い部分に重なる文字とスケールバーは白にする。
- 赤と緑をどうしても避けられない場合は、明度差の大きい色調を使い、形やテクスチャを足して、色がなくても区別が残るようにする。
色の上に載る文字はボールドにし、色付きの文字はグラフの凡例のように色自体が意味を持つ場所に限ります。
Science Advances の図の凡例に必ず書くこと
これは 3 つの文書に散らばっているので、まとめておく価値があります。
凡例は統計を担います。各実験について N、P、実施した統計検定の名称を、該当する図の凡例か本文に書くことが求められており、editorial policies はさらに踏み込んで、手法は Materials and Methods に述べたうえで、個々の検定名は実験ごとに図の凡例に書くよう指示しています。
凡例は、図版が読める形で載せられないものも引き受けます。転載画像に読めない大きさの機械生成文字が含まれる場合(手引きが挙げる例はスケールバーの単位です)、そのラベルは画像から外し、情報は凡例に書きます。凡例の記号の詳細も、記号表を大きくするのではなくキャプションに入れます。画像への非線形の調整も凡例に明記します。
表の凡例は単位を含めて 250 語までで、列見出しに脚注は使えません。その内容も凡例に回します。
画像の完全性と AI 生成のアートワーク
Science Advances は顕微鏡画像・ゲル・その他のデジタル画像への電子的な加工や操作を認めていません。規則自体はおなじみのもので、著者向けの案内と図の手引きの両方に書かれています。
- 複数の写真や画像から組んだ図は、境界に線を入れて別々の部分であることを示す。
- コントラスト、明るさ、色の線形調整は、画像またはプレート全体に等しく適用する。
- 非線形の調整は図の凡例に明記する。
- 画像の一部だけを強調したり変更したりすることは認められない。
運用は目視だけではありません。Science 誌群の編集者は Proofig で画像をスクリーニングすることがあり、Science Advances は改訂に戻した論文の著者に一次データの追加提出を求めることがあります。図の加工や操作が見つかれば、その追加資料の提出が必要になり、不採択の理由にもなり得ます。
AI については、Science 誌群が多くの出版社の 1 行ポリシーより精密な表を公開しています。そして精密さは両方向に効きます。
| 用途 | 可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 図・ダイアグラム・その他の図版を、説明目的で生成・修正・編集・整形すること | 不可 | 例外は編集者と相談すること |
| 研究データや結果の可視化を編集・整形すること | 条件付きで可 | 謝辞にモデル名とバージョン番号を明記する |
| コードの記述、データの生成・解析 | 条件付きで可 | Methods にモデル名とバージョン番号を記述する |
| 本文の執筆・草稿作成、翻訳 | 条件付きで可 | 謝辞にモデル名とバージョン番号を明記する |
| 言語の推敲、整形、文献検索、参考文献の収集 | 可 | 申告は不要 |
| 原稿の一部または全部を LLM に入力して査読を生成・補強すること | 不可 | 認められない |
雑誌が引いている線は説明図とデータの可視化の間にあります。モデルが生成した模式図は編集部の明示的な許可なしには認められず、より広いポリシーでは、AI 生成の画像とマルチメディアは Science 誌群では許可なしに一切認められない、例外は個別判断で主に AI・機械学習を扱う論文に限る、とされています。自分のデータのプロットを編集・整形する用途は認められており、そこには開示義務が伴います。謝辞にモデル名とバージョンを書く必要があります。
この両方を、この業界にいる者は言う必要があります。Science Advances に出す図が描かれたものではなく生成されたものなら、ポリシーは味方をしませんし、投稿時の開示は義務です。
投稿前チェックリスト
初回投稿:
- .docx 1 ファイル、または LaTeX と PDF に、すべてを順番どおりに。
- 図は初出位置に埋め込み、凡例をその下に。結合 PDF の中に入れる。
- abstract は 150 語以内、1 段落、引用なし、図版化したものは不可。
- タイトルは 135 文字以内、ショートタイトルは 50 文字以内。
- 図表は合計 10 点まで、本文 15,000 語まで、参考文献 80 件まで。
- 査読者候補 5 名の氏名・所属・メールアドレス。
- カバーレターに、新規性、利益相反、同意取得と動物実験の記述、データの所在、担当を希望する Deputy または Section Editor。
- 筆頭著者と責任著者の ORCID。
改訂時。ここから図の仕様が拘束力を持ちます:
- 図は 1 点 1 ファイルで、本文とは別にアップロードし、結合 PDF と完全に一致させる。
- 幅は 90 mm、184 mm、または 90 mm 以上 144 mm 以下。
- 深さは 227.5 mm 以内。凡例に場所が要るなら 199 mm 以内。
- 全体をサンセリフ体に。パネル記号 9 pt ボールド、本文的な文字は既定 8 pt、6 pt 未満は不可。
- 最終サイズで 0.28 pt より細い線を使わない。
- ベクターは .ai か .pdf、ラスターの線画は .tiff か .png、写真・ゲル・顕微鏡像は .tiff か .jpeg で 300〜600 dpi。
- CMYK ではなく RGB。背景は白。赤と緑、濃い青と黄色の組み合わせを使わない。
- 凡例に N、P、各統計検定の名称。
- AI を使ったなら、謝辞または Methods に、モデル名とバージョンを添えて申告する。
よくある質問
Science Advances のインパクトファクターはいくつですか。 AAAS は Journal metrics ページで、2 年インパクトファクターを 13.9、5 年インパクトファクターを 14.8 と公表しています。出典は Web of Science で、2026 年 6 月時点の値です。同じページに Immediacy Index 2.8、Eigenfactor score 0.38515、Article Influence Score 4.774、h-index 39、そして Scopus 由来の CiteScore 19.0 が載っています。
Science Advances の採択率はどれくらいですか。 8.8% です。AAAS が 2025 年通年、投稿 35,831 件について公表しています。同じ表の査読回付率は 16.4% で、外部査読に回るのはおよそ 6 件に 1 件、残りは査読を経ずに不採択になります。いずれも research articles、reports、research resources を対象とし、reviews と analytical reviews は含みません。
Science Advances に載せるにはいくらかかりますか。 基本の APC は 5,450 ドルで、CC BY-NC と CC BY のどちらを選んでも同額です。Research4Life の Hinari A・B 該当国の責任著者は原則として全額免除、AAAS 会員は 4% 割引、経済的困難による減額はすべての国・すべての分野から申請できます。ただし減額が認められるのは受理時です。
Science Advances は掲載までどれくらいかかりますか。 2025 年通年の中央値で、投稿から最初の判定まで 8 日、査読後の最初の判定まで 58 日、投稿から受理まで 174 日、受理から公開まで 33 日です。後ろの 2 つを足すと、受理された論文が公開されるのは投稿からおよそ 207 日後という計算になります。
Science Advances の図の幅はどれだけですか。 1 カラムは 3.55 インチ、9 cm、21 パイカ 3 ポイントです。2 カラムは 7.25 インチ、18.4 cm、43 パイカ 6 ポイントです。中間の幅も使えますが、2 カラムに満たない図は 5.67 インチ、14.4 cm、34 パイカを超えてはいけません。深さはページ高 9 インチが上限で、凡例が入るように 7.8 インチで止めることが推奨されています。
Science Advances の図の最小文字サイズはいくつですか。 最小は 6 pt です。軸ラベルなどの本文的な文字は既定で 8 pt の Myriad regular、または同等のサンセリフ体、パネル記号は 9 pt ボールドの大文字です。凡例は雑誌側が 7.5 pt・行送り 10 pt の Myriad Regular で組みます。最終サイズでの最小線幅は 0.28 pt です。
Science Advances の解像度の要件は何ですか。 グレースケールおよびカラーのラスター画像は最終サイズで 300 dpi 以上、白黒の線画は 1,200 dpi 以上です。ところが同じ手引きは、600 dpi を超えるファイルは 600 dpi にダウンサンプリングするので 600 dpi 以下での入稿を推奨する、とも書いています。1,200 dpi の規定とは両立しません。線画をベクター(.ai または .pdf)で出せばこの矛盾は回避でき、それが雑誌側の第一希望でもあります。
Science Advances はグラフィカルアブストラクトを受け付けますか。 受け付けません。Information for authors に、abstract を図で表現したものは認めない、と明記されています。abstract は本文のみ、150 語以内の 1 段落で、引用は入れられません。
Science Advances の図を AI で作ってもいいですか。 説明図については認められていません。Science 誌群の AI 利用ガイドラインは、図・ダイアグラム・その他の図版を説明目的で生成・修正・編集・整形することを「不可」と分類し、例外は編集部と相談することとしています。研究データや結果の可視化を編集・整形する用途は条件付きで可ですが、謝辞にモデル名とバージョン番号を明記する必要があります。
Science Advances の略誌名は何ですか。 Sci. Adv. です。同誌自身の引用例がこの形を使っており、Sci. Adv. 1, e1400005 (2015) のように表記します。ISSN は 2375-2548 で、Science Citation Index Expanded に収録されています。
次に読む
- Nature Communications のインパクトファクターと図の規定 — Science Advances と最もよく比較される雑誌で、カラム幅がここより 2 mm ずれている相手です。
- PNAS のインパクトファクターと図の規定 — 同じ検討に上がる 3 番目の総合誌で、料金体系がまた違う学会誌です。
- Scientific Reports の図の要件 — 雑誌が仕様を公表しない場合に図の要件がどう見えるか、そして数字をどこから持ってくるか。
参考資料
- Science Journals — Journal metrics — AAAShttps://www.science.org/content/page/journal-metrics-overview2026年8月22日 閲覧
- Science Advances — Information for authors — AAAShttps://www.science.org/content/page/science-advances-information-authors2026年8月22日 閲覧
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