分子軌道の図(MO図)ジェネレーター
O₂、N₂、CO、HF など分子名を入れるだけで、その分子のエネルギー準位図が得られます。両側に原子軌道、中央にその分子本来の順序で並んだσ・π分子軌道、構成原理とフントの規則に従って入れた電子、そして結合次数まで。下のラベル付き版と空欄版のO₂の図は無料でそのまま閲覧できます。
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分子軌道の図(MO図)とは?
分子軌道の図(MO図)は、分子のエネルギー準位図です。両端の列に各原子の原子軌道、中央にそれらからできる分子軌道を置き(結合性軌道σ・πは低く、反結合性軌道σ*・π*は高く)、電子を下の準位から順に入れていきます。電子を数えれば結合次数=(結合性電子−反結合性電子)/2が求まり、不対電子があればその分子は常磁性だとわかります。
要点
- σ2pとπ2pの順序はN₂とO₂の間で入れ替わります。Li₂からN₂までは2sと2pの相互作用(s-p混合)でσ2pが2つのπ2pより上に押し上げられ、O₂とF₂では2sと2pのエネルギー差が大きいためσ2pはπ2pの下にとどまります。O₂をN₂の順序で描くのが最も多い誤りです。
- 結合次数=(結合性電子の数−反結合性電子の数)/2。N₂は結合性8個・反結合性2個の価電子で結合次数3、O₂は8個と4個で2、He₂は2個と2個で0になるため、分子として存在しません。
- O₂が磁石に引き寄せられる理由を分子軌道法は説明できます。最後の2個の電子はフントの規則に従って同じエネルギーの2つのπ*2p軌道に1個ずつ入り、不対電子として残ります。磁気てんびんで確かめられますが、ルイス構造には現れません。
- 入った軌道の数だけ分子軌道ができます。1s軌道2つからσ1sとσ*1s、3つずつの2p軌道2組からσ2p、π2p×2、π*2p×2、σ*2pができます。6つ入って6つ出るわけです。
- 異核二原子分子では左右の列の高さがずれます。CO、NO、HFでは電気陰性度の大きい原子の軌道が低い位置にあり、結合性軌道はエネルギー的にその原子に近くなります。価電子11個のNOの結合次数は(8−3)/2=2.5です。
分子軌道の図の作り方
分子を指定する
分子やイオンの名前と、どこまで描くかを伝えます。すべての電子を入れたO₂の図、かんたんなH₂の図、N₂とO₂の並列など。一文で十分です。
スタイルを選ぶ
デフォルトはフラットで清潔な教科書スタイル。白背景に軌道の横線、破線の相関線、半矢印の電子。線画や3Dなどの仕上げも選べます。
調整して書き出す
生成結果はワークスペースに開き、部分的な描き直し、キャンバス上でのラベル編集、アップスケール、高解像度での書き出しができます。
第2周期の等核二原子分子の分子軌道図
Li₂からNe₂までの等核二原子分子について、価電子の数、軌道の順序、結合次数、磁性をOpenStax Chemistry 2eに基づいてまとめました。どの図でもまず確認すべきなのは軌道の順序の列です。
| 分子 | 価電子の数 | 2p由来の軌道の順序 | 結合次数 | 磁性 |
|---|---|---|---|---|
| Li₂ | 2 | π2pがσ2pより下(s-p混合) | 1 | 反磁性 |
| Be₂ | 4 | π2pがσ2pより下(s-p混合) | 0(生成しない) | — |
| B₂ | 6 | π2pがσ2pより下(s-p混合) | 1 | 常磁性(不対π電子2個) |
| C₂ | 8 | π2pがσ2pより下(s-p混合) | 2 | 反磁性 |
| N₂ | 10 | π2pがσ2pより下(s-p混合) | 3 | 反磁性 |
| O₂ | 12 | σ2pがπ2pより下 | 2 | 常磁性(不対π*電子2個) |
| F₂ | 14 | σ2pがπ2pより下 | 1 | 反磁性 |
| Ne₂ | 16 | σ2pがπ2pより下 | 0(生成しない) | — |
動くのは2p由来の軌道の順序だけです。どの分子でもσ2sとσ*2sがいちばん下、σ*2pがいちばん上にあり、違いはσ2pが2つのπ2pより上か(Li₂〜N₂)下か(O₂〜Ne₂)だけです。分子名を指定すれば、その分子の順序で描かれます。
結合性軌道と反結合性軌道の違い
結合性軌道(σ、π)は2つの原子核の間の電子密度を高め、もとの原子軌道よりエネルギーが低くなります。反結合性軌道(σ*、π*)は原子核の間に節面をもち、エネルギーが高くなります。結合性軌道の電子は原子どうしを結びつけ、反結合性軌道の電子はその効果の一部を打ち消します。
| 結合性軌道 | 反結合性軌道 | |
|---|---|---|
| 記号 | σ、π | σ*、π*(*が反結合性を示す) |
| エネルギー | もとの原子軌道より低い | もとの原子軌道より高い |
| 原子核間の電子密度 | 高まる(波が強め合う) | 節面でゼロ(波が打ち消し合う) |
| 結合への効果 | 電子1個ごとに結合次数を½増やす | 電子1個ごとに結合次数を½減らす |
| 図の中の位置 | 原子軌道の線より下 | 原子軌道の線より上 |
| O₂の場合 | σ2s、σ2p、π2p×2(電子8個) | σ*2s、π*2p×2(電子4個)、σ*2pは空 |
まず半矢印を確認しましょう。対になった電子は逆向き、同じエネルギーの軌道には対をつくる前に1個ずつ入り(フントの規則)、1本の線に入る電子は2個まで。O₂の2個のπ*電子を対で描いていないか、最初に確かめるべき点です。
分子軌道の図はどこで使われる?
分子軌道の図は主に大学の一般化学・無機化学の授業(演習、試験対策、講義スライド)と、結合・分光・材料に関する研究発表で使われます。変わるのは対象の分子で、最初はH₂とHe₂、次に第2周期の二原子分子やCO、有機化学や材料化学ではフロンティア軌道が中心になります。
大学初年次の化学
一般化学の授業で扱うH₂、He₂、第2周期の二原子分子の分子軌道図。電子を入れた図から結合次数と磁性を読み取ります。
無機化学
CO、NO、HFなどの異核二原子分子。電気陰性度の大きい原子の軌道が低い位置にくることが、金属カルボニル錯体や配位子場理論の土台になります。
定期試験・院試対策
N₂とO₂を並べて軌道の順序の入れ替わり(この単元で最もよく問われる点)を示し、結合次数と不対電子も書き添えた1枚のまとめ。
研究・教育用の図
光化学、有機エレクトロニクス、触媒の発表や論文で使うHOMO・LUMOのエネルギー図。両者の差が分子の吸収する光を決めます。
分子軌道の図についてよくある質問
ラベル付きの分子軌道図には何を描けばいいですか?
両端の列に各原子の原子軌道、中央に名前付きのすべての分子軌道(σ2s、σ*2s、σ2p、π2p、π*2p、σ*2p)、それらをつなぐ破線、半矢印で表した電子、上向きのエネルギー軸です。多くの授業では、結合次数と常磁性か反磁性かの記入も求められます。
生徒が書き込む空欄の分子軌道図は手に入りますか?
入ります。このページの空欄版のO₂を無料で閲覧するか、任意の分子を空の準位とラベル代わりの解答線付きで指定してください。ラベル付き版がそのまま解答になるので、2枚一組で印刷できます。
O₂はなぜ常磁性なのですか?
最後の2個の価電子が2つのπ*2p軌道に1個ずつ、不対のまま入るからです。2つの軌道は同じエネルギーなので、フントの規則により対をつくる前に1個ずつ入ります。ルイス構造ではO₂の電子はすべて対になり、液体酸素が磁石にくっつく理由を説明できませんが、分子軌道の図なら説明できます。
N₂とO₂で軌道の順序が違うのはなぜですか?
2sと2pの相互作用(s-p混合)のためです。Li₂からN₂までは2sと2pのエネルギーが近く、両者のσ型の組み合わせが混ざり合って、σ2pが2つのπ2pより上に押し上げられます。O₂とF₂では2sと2pの差が大きく、混合が弱いので順序は入れ替わらず、σ2pはπ2pの下にとどまります。
分子軌道の図から結合次数はどう求めますか?
結合性軌道と反結合性軌道の電子をそれぞれ数え、差をとって2で割ります。O₂なら、結合性8個(σ2s、σ2p、π2p×2)から反結合性4個(σ*2s、π*2p×2)を引いて(8−4)/2=2。ルイス構造の二重結合と一致します。He₂やNe₂のように結合次数が0なら、分子は生成しません。
COやHFのような異核二原子分子の図はどう描きますか?
電気陰性度の大きい原子の軌道を、その原子の列に低く描きます。COでは酸素の2s・2pが炭素より低い位置にあり、価電子10個(N₂と同じ数)で結合次数は3です。HFでは水素の1sがフッ素の2p軌道1つと組んでσとσ*をつくり、フッ素の2sと残り2つの2pは非結合性のまま残るので、結合次数は1です。
分子軌道の図とルイス構造はどう違いますか?
ルイス構造は結合を2原子間で共有された電子対として描き、分子軌道の図は電子を分子全体に広がった軌道にエネルギー順に割り振ります。結合次数は多くの場合同じになりますが、O₂の不対電子やNOの2.5のような分数の結合次数を示せるのは分子軌道の図だけです。ルイス構造はこのサイトのルイス構造ジェネレーターで描けます。
分子軌道の図と電子配置の図(軌道図)は同じものですか?
違います。電子配置の図は1つの原子の電子配置を、分子軌道の図は2つの原子の軌道が組み合わさる様子を表します。電子配置の図では1s、2s、2pなどを箱や線で表し、それぞれに矢印を最大2本入れます。分子軌道の図はそれを両端に2つ置き、その間に分子軌道を描きます。どちらも指定して作れます。
3原子以上の分子でも分子軌道の図を作れますか?
定性的な図としてなら作れます。ベンゼンのπ電子系、水の分子軌道、HOMO-LUMOギャップなどです。準位は計算値ではなく教科書どおりの順序で描かれます。量子化学計算の値があれば、依頼文に書き込むとその数値に合わせて描きます。
一般的な画像生成AIと何が違いますか?
題材についての指示が組み込まれています。どの画像も教科書どおりの描き方(エネルギーは上向き、O₂とF₂ではσ2pがπ2pの下、Li₂〜N₂では上、同じエネルギーの軌道には1個ずつ入れてから対に、各軌道はσ、σ*、π、π*と正確に表記)に従うよう指示されます。印刷前に授業の内容と照らし合わせてください。キャンバス上でどのラベルもその場で直せます。
生成した図は授業や論文に使えますか?
使えます。生成した図はあなたのものです。プリント、発表資料、配布資料、学位論文、投稿論文で使えます。モデルにもよりますが、最大 4K の高解像度ラスターで書き出せます。
生成後にラベルを変更できますか?
できます。結果はキャンバスのワークスペースで開き、図のラベルが認識されています。文字の修正や翻訳、線の移動、一部の描き直し、色の変更が、図全体を作り直さずに行えます。
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