Scientific Figure
Lab fishbone

検査値フィッシュボーン(lab fishbone)作成ツール

検査結果から lab fishbone を作成します。電解質と腎機能(BMP)、血算、凝固、肝機能、血液ガス、Ca/Mg/P の各スケルトンに、値を決まった位置で書き込みます。症例発表、USMLE や NCLEX の対策、臨床教育に使えます。

フィッシュボーンのスタイル

スタイルごとに別の検査セットで描いています。凝固と並べた肝機能の LFT クロス、罫線入りの用紙に青いボールペンで書いた Ca/Mg/P つきの電解質一式、全項目の略語を入れた BMP・血算・凝固・Ca/Mg/P の白紙テンプレート、DKA 症例の BMP と血液ガス。カードをクリックすると、その図を描いたプロンプトが入ります。

印刷したカルテ記載
手書きの申し送りシート
教育用ハンドアウト
症例発表のスライド

検査値フィッシュボーンの例

4 つの例を実際に描いたものです。2 つの値に H が付いた入院時の BMP と血算、BMP・カルシウムのフォーク・肝機能クロスに分けた CMP の貼り付け結果、2 日間の BMP の推移、low の印が 2 つある血算と並べた凝固検査。

入院時採血:BMP と血算
CMP の結果を貼り付け
BMP の 2 日間の推移
処置前の凝固と血算

検査値フィッシュボーン(lab fishbone)とは

lab fishbone は北米の臨床現場で使われる検査値の略記法で、検査セットごとに数本の線で決まった骨格を描き、各項目の位置を固定します。そのため数字がどこにあるかだけで Na か血小板かがわかり、項目名も単位も書きません。 最もよく使われるのは BMP(Chem-7)で、横線を 3 つの区画に分け、上段に Na・Cl・BUN、下段に K・HCO3・Cre、右端の分かれ目にグルコースを書きます。この分かれ目が魚の尾に見えるのが名前の由来です。血算、凝固、肝機能、Ca/Mg/P にもそれぞれ小さな骨格があり、血液ガスは斜線で区切って書きます。日本の病棟では、検査値は表や SOAP の O 欄に列挙するのが普通で、フィッシュボーンはほとんど使われません。目にするのは米国の教科書、USMLE や NCLEX の対策教材、北米での臨床実習、英語の症例報告などです。

このツールが検査値に対して行うこと

  • 値の位置はコードで決めます。 Na は必ず BMP の左上、グルコースは必ず尾、Hb は必ず血算の横線の上。モデルにはすべての数字の位置を指示し、モデルが位置を選ぶことはありません。
  • 値はそのまま写し、判定しません。 基準値との比較も自動の印付けも行いません。値の横に書いた H、L、↑、(低)、critical などはそのまま描き、circled と書いた値は丸で囲みます。
  • 検査結果の貼り付けに対応します。 単位や基準値つきの結果を貼っても、配置するのは測定値だけです。単位は表記の慣習どおり省き(指定すれば表示)、基準値の数字を結果として読むことはありません。
  • 2 つの HCO3 を取り違えません。 生化学の HCO3 は BMP に、血液ガスの HCO3 はガスの行に入れます。同じ文に両方が書いてあっても同じです。
  • 1 枚に最大 6 つのスケルトン。 たとえば 2 日分の BMP と血算を並べ、それぞれの上に日付を書けます。乳酸、トロポニン、CRP、白血球分画など定位置のない項目は、骨格の下に名前つきで 1 回だけ書きます。

検査セット別のフィッシュボーンと値の位置

依頼のほとんどは次の 8 種類のどれかです。検査セットごとに骨格があり、位置は患者が変わっても変わりません。

BMP フィッシュボーン(Chem-7)

Basic Metabolic Panel は、日本でいう電解質・腎機能・血糖にあたります。上段に Na・Cl・BUN、下段に K・HCO3・Cre、右の尾にグルコース。 縦の列は対になっていて、Na と K、Cl と HCO3、BUN と Cre を並べて読みます。HCO3 の代わりに CO2(総 CO2)と報告される場合も同じマスに入ります。

血算フィッシュボーン(CBC)

白血球分画を除いた血算です。左のフォークに WBC、横線の上に Hb、下に Ht、右のフォークに Plt。 4 マスの骨格には赤血球指数や分画の場所がないため、MCV や好中球数を入れた場合は名前つきで横に書きます。日本の報告形式(WBC 9200/μL、Plt 25.0 万/μL など)も、書いたとおりの数字で入ります。

CMP フィッシュボーン

Comprehensive Metabolic Panel は 1 つの骨格に収まらず、3 つに分けて描きます。BMP、Ca/Mg/P のフォークの上にカルシウム、肝機能の LFT クロスとその横に TP と Alb。CMP をまとめて貼り付けるとこのように分け、Mg と P が測定されていなければその位置は空欄のままにします。

電解質フィッシュボーン

電解質では、BMP の下に吊るすフォークを加えます。腕の間に Ca、軸の左に Mg、右に P。 K・Mg・P の補充プロトコルが対象とする項目の組み合わせで、米国の申し送りシートにはこの空欄の組が患者ごとに印刷されていることがよくあります。

肝機能フィッシュボーン(LFT)

2 本の線を交差させた形です。上の区画に T-Bil(その下に D-Bil)、左に AST、右に ALT、下に ALP。 TP と Alb は名前つきでクロスの横に書きます。施設や教科書による違いが最も大きい骨格なので、所属先で使っている形と見比べてください。

血液ガスのフィッシュボーン(ABG)

動脈血液ガスは骨格ではなく長い斜線で区切って書くのが一般的です。pH / PaCO2 / PaO2 / HCO3、報告されていればその後に SaO2 と BE。入力も同じ形(7.12/22/96/8)か項目名つきで構いません。静脈血ガスも同じ行に書き、酸素の値がない位置は空欄にします。

凝固フィッシュボーン

逆さの Y 字です。軸の左に PT、右に APTT、2 本の脚の間に PT-INR。 PT は秒の値を入れる位置で、日本の報告によくある PT 活性(%)には定位置がないため名前つきで横に書きます。凝固は血算の隣に並べて描くのが普通です。

フィッシュボーンのテンプレート

検査セットを指定してテンプレートを頼むと、数字のない骨格に、各項目の略語を灰色で定位置に入れて描きます。申し送りシート、シミュレーション演習、暗記カード用に印刷できます。ラベルなしを指定すれば、手書きで埋めるための線だけになります。

各フィッシュボーンの値の位置

このツールが使う位置で、北米で一般的な慣習に従っています。施設や講座によって違いがあり、肝機能クロスが最もばらつきます。

スケルトン形位置
BMP(Chem-7)3 区画の横線と二股の尾上段:Na | Cl | BUN · 下段:K | HCO3 | Cre · 尾:Glu
血算(CBC)両端がフォークになった横線左フォーク:WBC · 上:Hb · 下:Ht · 右フォーク:Plt
Ca / Mg / PBMP の下の Y 字腕の間:Ca · 軸の左:Mg · 右:P
凝固逆さの Y 字軸の左:PT · 右:APTT · 脚の間:PT-INR
肝機能(LFT)X 字上:T-Bil(D-Bil) · 左:AST · 右:ALT · 下:ALP
血液ガス(ABG)斜線で区切った値pH / PaCO2 / PaO2 / HCO3、続いて SaO2 / BE

単位は表記の慣習どおり省きます。 位置を見れば項目がわかり、単位は各施設の検査室のものだからです。読む人の単位が異なる場合、たとえば米国の資料と並べて血糖を mmol/L で示すときなどは、単位の表示を指定してください。

検査値をフィッシュボーンに書く手順

1

検査セットごと、採血ごとに骨格を描く

BMP、血算、そして Ca/Mg/P と凝固の小さなフォーク。推移を比べるときは採血のたびに一式を描き直し、上に日付か時刻を書きます。

2

数字を決まった位置に書く

単位を付けずに値を写します。BMP の左上の 138 は、誰が読んでも Na です。結果待ちや未検査の項目は、ほかの値をずらさずにその位置を空けておきます。

3

目立たせたい値に印を付ける

大事な値を丸で囲んだり、H・L・矢印を添えたりする人が多くいます。その判断は書く人のものです。このツールは書かれた印だけをそのまま描き、基準値をもとに自分から印を付けることはありません。

検査値フィッシュボーンと特性要因図(フィッシュボーン図)の違い

検査値フィッシュボーンは 1 人の患者の検査結果を書くための略記法で、特性要因図(石川ダイアグラム、フィッシュボーン図)は問題の原因候補を整理するための図です。 どちらも魚の骨に似ているので同じ呼び名になっていますが、共通点はそれだけです。

検査値フィッシュボーン特性要因図
記録するもの1 回の採血の検査結果1 つの問題の原因候補
形検査セットごとの小さな固定骨格問題に向かう背骨と、原因の分類を表す小骨
各項目の位置慣習で固定(Na は常に左上)チームが決める
書く内容数字だけ言葉:原因と下位原因
使う人病棟の看護師、研修医、医学生(主に北米)医療安全・品質管理の担当者

日本語で「フィッシュボーン図」と言えば、ほぼ特性要因図のことです。このページで描くのは検査値の略記のほうです。

検査値フィッシュボーンのよくある質問

BMP のフィッシュボーンでは、どの値がどこに入りますか?

上段に Na・Cl・BUN、下段に K・HCO3(CO2)・Cre、右の分かれ目にグルコースが入ります。 横に読むと上段は主要な陽イオン、主要な陰イオン、尿素窒素で、縦の 2 つは対になっており、BUN と Cre は腎機能として並べて読みます。グルコースの右に Ca・Mg・P を続けて書く人もいますが、このツールでは BMP の下の Ca/Mg/P フォークに入れます。

血算のフィッシュボーンはどう読みますか?

左のフォークの数字が WBC、横線の上が Hb、下が Ht、右のフォークが Plt です。 13.8 > 10.2 / 31.0 < 188 なら WBC 13.8(×10³/μL)、Hb 10.2、Ht 31.0、Plt 188(×10³/μL)と読みます。白血球分画と赤血球指数は骨格に含まれないので、必要なら横に書きます。

BMP の CO2 は血液ガスの PaCO2 と同じですか?

違います。 生化学の CO2 は総 CO2 で、そのほとんどが重炭酸イオンなので BMP の HCO3 のマスに入ります。PaCO2 は動脈血の二酸化炭素分圧で、mmHg で表す別の数字であり、血液ガスの行の 2 番目に入ります。1 つの依頼に両方があれば、それぞれの骨格に振り分けます。

Ca・Mg・P はどこに書きますか?

BMP の下に描く小さなフォークに書きます。2 本の腕の間に Ca、軸の左に Mg、右に P です。 Chem-7 にこの 3 項目を加えたものを米国では Chem-10 と呼び、電解質補充プロトコルの多くが確認する項目の組み合わせです。

なぜ単位や項目名を書かないのですか?

位置が項目名の代わりになるからです。 カルテを読む人は BMP の左上が Na だと知っているので、毎回 Na や mEq/L を書くと見づらくなるだけです。単位は読む人の単位が違うとき、項目名は骨格を覚える段階で役に立ちます。後者を描くのが「教育用ハンドアウト」スタイルです。

異常値に自動で印を付けますか?

付けません。意図的にそうしています。 基準値は検査室ごとに異なり、どの値を目立たせるかは臨床判断だからです。このツールは基準値と比較せず、色付けや矢印も自分からは加えません。書かれた印(H、L、↑、↓、critical、丸囲み)だけを、書かれた位置にそのまま描きます。

電子カルテや検査報告書の結果を貼り付けられますか?

はい。結果をテキストで、順番を問わず、単位や基準値の有無に関係なく貼り付ければ、各値を項目に対応づけて配置します。 貼り付ける前に、氏名、ID・カルテ番号、生年月日などの個人を特定できる情報は削除してください。図に必要なのは数字だけで、採血を区別するには日付や「Day 3」のような表記で足ります。

数日間の推移はどう示しますか?

同じ骨格を採血ごとに横に並べ、それぞれの上に日付か時刻を書きます。 入力は見出しつきで 1 行ずつ、たとえば「11/03: Na 128, K 3.1 …」「11/04: Na 131, K 3.6 …」のように書けば、最大 6 つの骨格がその順に左から右へ並びます。

血液ガスはフィッシュボーンでどう書きますか?

斜線で区切り、順番は pH / PaCO2 / PaO2 / HCO3、報告があれば続けて SaO2 と BE です。 7.12/22/96/8 は pH 7.12、PaCO2 22、PaO2 96、HCO3 8 と読みます。欠けている値は位置を空けたままにするので、順番が崩れません。

看護の質改善で使うフィッシュボーン図と同じものですか?

別物です。 質改善で使うのは特性要因図(石川ダイアグラム)で、たとえば転倒・転落の原因を分類して整理するための図です。検査値フィッシュボーンは検査結果を書くための書き方にすぎません。依頼が結果ではなく原因を説明しているなら、このページで描く図ではありません。

検査値をフィッシュボーンで書く

貼り付けた結果から、値がすべて定位置に入った BMP・血算・凝固の骨格まで、1 分ほどで作成します。

フィッシュボーンを作成