Scientific Figure
反応のエネルギー変化

反応のエネルギー図メーカー

化学のエネルギー図を縮尺どおりに作図。Ea と ΔH の矢印付きの発熱・吸熱反応、触媒の有無による 2 本の経路、多段階反応の機構、結合のポテンシャルエネルギー曲線まで。演習プリント、授業スライド、論文に。

エネルギー図のスタイル

4 つのスタイルを、それぞれ別のエネルギー図で示しています。教科書風カラーの CH₃Br + OH⁻ の SN2 反応(遷移状態は [HO···CH₃···Br]⁻)、白黒の試験問題風で 20 kJ 刻みの目盛りと正反応・逆反応の活性化エネルギーを示した吸熱反応、論文の図として DFT 計算の自由エネルギー図を破線でつないだ準位で描き律速段階を示したもの、ダークスライドで ES と EP を経る酵素反応の経路を触媒なしの反応と比べたものです。

教科書
演習プリント
論文の図
ダークスライド

エネルギー図の例

4 枚とも実際の生成結果で、カードのプロンプトから描かれています。ヨウ化物イオン触媒の有無による過酸化水素の分解(Ea 75 と 56 kJ/mol、ΔH = −98 kJ/mol)、記号だけで示した 1 段階の吸熱反応、律速段階を示した 2 段階の SN1 反応(Ea1 = 95、Ea2 = 7 kJ/mol)、最小点が 74 pm にある H₂ のポテンシャルエネルギー曲線です。カードをクリックするとプロンプトが読み込まれます。

触媒あり・なしの比較
吸熱反応(数値なし)
SN1 の 2 段階反応
H₂ の結合エネルギー曲線

エネルギー図とは?

エネルギー図(エネルギー断面図、ポテンシャルエネルギー図とも呼ぶ)は、反応座標を横軸、系のエネルギーを縦軸にとり、左の反応物から右の生成物へ反応が進むときのエネルギー変化を表した図です。 山の頂上はそれぞれ遷移状態、2 つの山の間の谷は反応中間体です。反応物からエネルギー障壁の頂上までの高さが活性化エネルギー Ea、反応物と生成物の 2 つの準位の高さの差がエンタルピー変化 ΔH です。生成物が反応物より低ければ発熱反応、高ければ吸熱反応で、触媒は同じ 2 つの準位の間を通るより低い経路として現れます。

このエネルギー図ツールについて

  • ノートに書いてあるとおりに入力できます:反応物 0、遷移状態1 +85、中間体 +20、遷移状態2 +60、生成物 −45 kJ/mol。各段階の Ea と ΔH だけ(Ea = 50 kJ/mol、ΔH = −30 kJ/mol)でもよく、作図の前に各準位が計算されます。
  • 曲線はすべての停留点を通るように計算され、各遷移状態でちょうど極大、各中間体でちょうど極小になり、余計なこぶは入りません。すべての準位が数値なら、高さは縮尺どおりです。
  • 活性化エネルギーの矢印は、その障壁の直前の極小点から描き、軸からは描きません。ΔH の矢印は反応物の準位から生成物の準位へ向かい、ΔH = −45 kJ/mol や ΔH = +30 kJ のように符号付きで示します。
  • 数値をまったく入れない場合(「触媒あり・なしの吸熱反応」など)は、説明どおりの形で描き、矢印には Ea や ΔH > 0 といった記号だけを付けます。数値をでっち上げることはありません。
  • 単位は入力どおりです(kJ/mol、kJ·mol⁻¹、kcal/mol、eV)。自由エネルギー図を指定すると矢印は ΔG‡ と ΔG° に、「準位を破線でつなぐ」と指定すると DFT 論文でよく見る階段状の図になります。

作れるエネルギー図

化学の授業や論文でこの 2 つの軸に描かれる 8 種類の図と、それぞれの特徴、入力のしかたです。

発熱反応のエネルギー図

生成物が反応物より低い位置で終わるので ΔH は負、ΔH の矢印は下向きです。 逆反応の障壁は必ず高くなり、Ea = 50 kJ/mol、ΔH = −120 kJ/mol なら生成物から戻るには 170 kJ/mol を越える必要があります。2 つの数値を入れるか、「発熱反応」とだけ書けば、矢印は Ea と ΔH < 0 になります。

吸熱反応のエネルギー図

生成物が反応物より高い位置で終わり、ΔH は正、障壁は少なくともその差を越えなければなりません。 反応物 40 kJ、活性錯合体 100 kJ、生成物 70 kJ なら、正反応の活性化エネルギー 60 kJ、逆反応 30 kJ、ΔH = +30 kJ という定番の試験問題になります。「縦軸は 20 kJ 刻み」と加えれば目盛りが付きます。

触媒あり・なしの活性化エネルギーの図

同じ反応物と生成物の準位の間に 2 本の経路:触媒ありの経路はより低く破線で描き、専用の Ea の矢印を付けます。触媒は ΔH を変えないので ΔH は 1 本だけです。 教科書の定番は過酸化水素の分解で、触媒なしの Ea は 75 kJ/mol、ヨウ化物イオンありで 56 kJ/mol、ΔH = −98 kJ/mol です。酵素反応のエネルギー図も同じ種類の図で、触媒経路が ES と EP の複合体を通ります。

多段階反応の反応座標図

素反応ごとに山が 1 つ、中間体ごとに谷が 1 つあり、各段階の Ea はその直前の極小点から測ります。 反応物 0、遷移状態1 +85、中間体 +20、遷移状態2 +60、生成物 −45 kJ/mol なら Ea1 = 85、Ea2 = 40 kJ/mol です。「律速段階を示す」と書くと数値から判定します:山の前の最も低い点からの上りが最大の段階で、最も高い山とは限りません。

SN1・SN2 反応のエネルギー図

SN2 は 1 段階で、五配位の遷移状態 [Nu···C···L]‡ に山が 1 つあるだけで中間体はありません。SN1 は 2 段階で、高い第 1 の障壁を越えてカルボカチオンに電離し、求核剤が結合するときに小さな第 2 の障壁を越えます。 反応機構を書けば形が決まり、遷移状態1・カルボカチオン・遷移状態2 のエネルギーを入れれば縮尺どおりに描けます。E2 と E1 のエネルギー図も同じ 2 つの形です。

ギブズ自由エネルギー図(ΔG‡)

縦軸は G、矢印は ΔG‡ と ΔG° になり、計算化学の論文では各状態を短い水平の準位として描き、次の準位と破線でつなぎます。 DFT の値と一緒に「自由エネルギー、kcal/mol、準位を破線でつなぐ」と書けば、論文の図スタイルで目盛りも付きます。25 °C で 18.4 kcal/mol の障壁は速度定数約 0.2 s⁻¹、半減期約 3.4 s に相当します。

エンタルピー図

縦軸をエンタルピー H にした同じ図で、反応物と生成物を準位として描き、その間が ΔH、山の上が Ea です。 反応物と生成物だけを指定すると、2 つの準位と ΔH の矢印 1 本だけで障壁のないエンタルピー図になり、Ea を加えると間に曲線が現れます。

結合のポテンシャルエネルギー曲線(モースポテンシャル、レナード-ジョーンズポテンシャル)

「ポテンシャルエネルギー図」と呼ばれるもう 1 つの図で、2 原子のエネルギーを核間距離に対して描いたものです。短距離では急な反発の壁、結合距離で極小、原子が離れると 0 に向かって平らになります。 H₂ は 74 pm に極小、深さ 436 kJ/mol の井戸で描きます。レナード-ジョーンズと指定して ε と σ を与えれば、アルゴンのようなファンデルワールス対(ε = 0.998 kJ/mol、σ = 340 pm)も描け、極小は 2^(1/6)σ = 382 pm にあります。

エネルギー図の読み方

反応のエネルギー図の各要素が何で、図のどこにあり、反応について何を示すか。

要素図のどこにあるか何がわかるか
反応物と生成物左端と右端の水平な準位それぞれのエネルギー。その差が ΔH
遷移状態(‡)それぞれの山の頂上素反応の中で最もエネルギーの高い原子配置。寿命は結合振動 1 回程度で、単離できない
反応中間体2 つの山の間の谷有限の寿命をもつ実在の化学種。SN1 のカルボカチオンなど。検出できることもある
活性化エネルギー Ea山の直前の極小点から頂上までその段階の遅さ。25 °C では障壁が 5.7 kJ/mol(1.36 kcal/mol)増えるごとに速さは約 10 分の 1
逆反応の活性化エネルギー生成物から最後の山の頂上まで逆反応の障壁:Ea(逆)= Ea(正)− ΔH
ΔH(自由エネルギー図では ΔG°)反応物の準位から生成物の準位までの高さの差負なら発熱(発エルゴン)でエネルギーを放出、正なら吸熱(吸エルゴン)
律速段階直前の最も低い点からの上りが最大の段階全体の速さを決める段階。多くは山が最も高い段階だが、そうとは限らない
触媒経路同じ 2 つの準位の間を通るより低い経路Ea が小さく、中間体が増えることが多い。ΔH と平衡の位置は変わらない

反応座標には単位も目盛りの数値もありません。 反応の段階を左から右へ並べているだけで、測定量は縦軸だけです。そのため、エネルギー図の横方向の間隔には意味がありません。

発熱反応と吸熱反応のエネルギー図の違い

準位、障壁、2 本の矢印という同じ 3 つの要素も、どちらの準位が低いかで読み方が変わります。

発熱反応吸熱反応
反応物に対する生成物低い高い
ΔH の符号負、ΔH < 0正、ΔH > 0
ΔH の矢印下向き上向き
正反応と逆反応の障壁Ea(正)は Ea(逆)より小さいEa(正)は Ea(逆)より大きく、ΔH 以上
エネルギーと周囲熱を放出し、周囲の温度が上がる熱を吸収し、周囲の温度が下がる
遷移状態(ハモンドの仮説)早い遷移状態で、反応物に似る遅い遷移状態で、生成物に似る
例メタンの燃焼 ΔH = −890 kJ/mol、H₂O₂ の分解 −98 kJ/molCaCO₃ → CaO + CO₂ ΔH = +178 kJ/mol、N₂ + O₂ → 2NO +181 kJ/mol

発熱反応だから速いとは限りません。 ΔH の符号は 2 つの準位で、速さは障壁で決まります。メタンと酸素は混ぜても反応せず、火花が活性化エネルギーを与えて初めて反応します。反応では 890 kJ/mol もの熱が出るにもかかわらずです。

2 つの障壁から求める ΔH と、触媒の効き目

どのエネルギー図でも ΔH = Ea(正)− Ea(逆)が成り立ち、アレニウスの式は障壁の変化を速さの変化に換算します。 障壁が指数に入っているため、Ea が数 kJ/mol 下がるだけで反応は何倍も速くなります。

ΔH = Ea,正 − Ea,逆 k = A·e^(−Ea / RT) k触媒 / k無触媒 = e^((Ea,無触媒 − Ea,触媒) / RT)

言葉でいうと

2 つの準位の差は 2 回の上りの差。障壁を 1 kJ/mol 下げるごとに速さは何倍にもなる。

ヨウ化物イオンは過酸化水素の分解の障壁を 75 から 56 kJ/mol に下げます。25 °C では e^(19 000 / (8.314 × 298)) ≈ 2100 となり、触媒反応は約 2000 倍速く進みます(A が同じと仮定)。一方 ΔH は −98 kJ/mol のままです。自由エネルギー図では、同じ計算をアイリングの式の ΔG‡ で行います:k = (k_B·T / h)·e^(−ΔG‡ / RT)。

エネルギー図のよくある質問

エネルギー図の書き方は?

縦軸にエネルギー、横軸に反応座標をとり、左に反応物、右に生成物を短い水平線で描き、その間に段階ごとに山を 1 つ描きます。次に反応物の準位から山の頂上へ Ea の矢印、反応物から生成物へ ΔH の矢印を引きます。 ここではかわりにエネルギーを入力するだけです。たとえば「反応物 0、遷移状態 75、生成物 −98 kJ/mol」、または Ea と ΔH だけでも、山・2 本の矢印・数値が自動で配置されます。

活性化エネルギーの矢印はどこから引きますか?

障壁の直前にあるもののエネルギーから引きます。1 段階の反応なら反応物、後の段階ならその前の中間体で、終点はその障壁の頂上です。 横軸や 0 から引くのではありません。反応物 0、遷移状態1 85、中間体 20、遷移状態2 60 の 2 段階反応では、第 2 段階の Ea は 60 ではなく 60 − 20 = 40 です。

エネルギー図から発熱反応か吸熱反応かを見分けるには?

2 つの準位を比べます。生成物が反応物より低ければ発熱反応(ΔH < 0)、高ければ吸熱反応(ΔH > 0)です。 障壁の高さはこれとは無関係で、吸熱反応でも Ea が小さいことがあり、発熱反応でも Ea がとても大きいことがあります。

遷移状態と反応中間体の違いは?

遷移状態は山の頂上、中間体は谷です。 遷移状態は素反応の最高点で、結合の切断と生成の途中にある構造であり、単離できません。中間体はある段階でできて次の段階で消費される実在の化学種で、SN1 のカルボカチオンがその例です。n 段階の反応のエネルギー図には遷移状態が n 個、中間体が n − 1 個あります。

触媒はエネルギー図をどう変えますか?

同じ反応物と生成物の準位の間に、より低い経路を加えます。Ea は下がり、ΔH はまったく変わりません。 触媒は反応物と結合し、変化した生成物を放すため、触媒経路は段階が多く、各段階の障壁が小さいことがよくあります。酵素反応のエネルギー図では、酵素-基質複合体(ES)と酵素-生成物複合体(EP)が谷として表れます。触媒は正反応と逆反応を同じように速め、平衡は移動させません。

エネルギー図で律速段階を見つけるには?

教科書の多くの図では、遷移状態が最も高い段階です。厳密には、直前の最も低い点からの上りが最大の段階です。 両者が一致しないこともあります。反応物 0、遷移状態1 50、中間体 −40、遷移状態2 30、生成物 −60 では遷移状態1 のほうが高いものの、第 2 段階は深い中間体から 70 上る必要があるため、律速段階は第 2 段階です。「律速段階を示す」と指示すれば、この規則で数値から判定します。

SN1 と SN2 のエネルギー図はどう違いますか?

SN2 は山が 1 つで、結合の生成と切断が 1 つの遷移状態で同時に起こり、v = k[基質][求核剤] です。SN1 は山が 2 つで、その間の谷がカルボカチオンです。最初の山(電離)のほうが高く律速段階になるので、v = k[基質] となります。 カルボカチオンが安定なほど(第一級より第三級)、その中間体もそこへ至る障壁も低くなります。

ポテンシャルエネルギー図・エンタルピー図・自由エネルギー図の違いは?

縦軸の量が違うだけです。 高校ではエネルギーやポテンシャルエネルギー、熱化学ではエンタルピー H、有機化学・生化学・計算化学ではギブズ自由エネルギー G を使い、障壁を ΔG‡、全体の変化を ΔG° と書きます。どれを使うか指定するか、「自由エネルギー」と書けば、軸と矢印のラベルがそれに合わせて変わります。

結合のポテンシャルエネルギー曲線は何を表しますか?

2 つの原子のエネルギーが、原子間の距離によってどう変わるかを表します。 遠く離れているとエネルギーは 0 で、近づくと結合距離で最小になり、さらに近づくと原子核どうしの反発で急に上がります。H₂ の最小点は 74 pm です。教科書では井戸の深さを結合エンタルピーの 436 kJ/mol と書きますが、厳密には井戸の深さ Dₑ は 458 kJ/mol、最低振動準位から解離するのに必要なエネルギー D₀ は 432 kJ/mol です。図に載せたい数値を書けば、それがラベルになります。

AI がエネルギーの値を変えたり、数値を作ったりしませんか?

しません。各準位、各 Ea と ΔH、目盛り、律速段階は、画像を生成する前にあなたの数値から計算され、画像モデルはそれを配置するだけです。 数値が図に入るのは、あなたが入力した値か、入力した値だけから導ける値(2 つの準位から求めた Ea など)に限られます。数値のない依頼は、Ea と ΔH の記号だけを付けた形の図として描きます。

参考資料

すべての準位が正確な位置にあるエネルギー図を

反応物・遷移状態・中間体・生成物のエネルギーを入力するか、反応を説明するだけで、演習・授業・論文に使える反応のエネルギー図ができあがります。

エネルギー図を作る